最初は傲慢な上司の誘いを断っていたのだけど、そのうち断れなくなって気が付けば本気で上司を好きになっていた!
”最初は傲慢な上司の誘いを断っていたのだけど、そのうち断れなく
なって気が付けば本気で上司を好きになっていた!“
うちの会社では、”職場でも有名なパワハラやセクハラをする嫌われ
上司が居る!“
皆、この上司にはウンザリしているし、早く会社を辞めてほしいと
まで思っていた。
でも何故なのか? 皆の前で一人の部下に平気でパワハラをするくせに、
この上司がクビになる事はない!
社長にやたらと気に入られているのか?
仕事がそれだけ出来るのか?
私にはよく分からないのだけど、なんせ皆に嫌われている上司。
・・・そんな上司に何故か私は気に入られている。
私の体を触られるようなセクハラをされる事はないのだけど、
やたらと仕事終わりに二人で飲みに行かないかとしつこく誘われる。
私以外にもたくさん女性社員も居るし、可愛い女の子も居るのに、
本当に何故か私だけを上司は誘うのだ。
ただこの上司、”女性社員に触れる事はない!“
ただただ下品な下ネタを女性社員に言うだけ。
勿論! 女性社員の中にはゲスな下ネタが嫌いな女性も居る。
そういう女性社員にはこの上司、何故なのか下ネタを次から言わないと
随分先になって気が付いた。
*
・・・そんな頃、また私はこの上司に仕事帰りに飲みに誘われた。
『いい加減、一回ぐらい俺と飲みに行ってくれないかな~』
『嫌です! なんで私なんですか?』
『”なんでって、俺は下部さんみたいな女性がタイプだから。“』
『島根さんって奥さんいますよね? こんなのバレたら奥さんに怒られ
ますよ。』
『”別にいいし、俺と妻はもう気持ちが冷めてて、別居してるから。“』
『えぇ!?』
『どうせ家に帰っても、誰も居ないからさ。』
『・・・・・・』
『俺の事、可哀そうと思うなら一回だけ飲みに行ってくれよ。』
『・・・いや? やっぱりダメです! 行きません!』
『頼む! 一回だけ行ってくれたら、もう誘わないから。』
『えぇ!? ほ、本当ですか? もう誘わないんですよね!』
『じゃあ、行ってくれるの?』
『・・・わ、分かりました、一回だけですよ。』
『あぁ、一回だけ! 本当にありがとう。』
『・・・・・・』
・・・正直、あんまり期待もしてなかった上司と二人飲み。
でも? 二人で居酒屋で飲む上司は凄く穏やかで優しく、職場でいつも見る
上司とは随分と違っていた。
”本当の上司はコッチではないのか?“ と思うように最後はなっていた。
『”今日は、本当にありがとう! 久々に凄く楽しかったよ。
でももう誘わないから凄く寂しいけど、、、。“』
『”いえ、また誘ってください!“』
『えぇ!? でも、約束と違うし。』
『いいんです、今日! 二人で飲んでみて随分とイメージが変わったから、
これならまた二人でも飲みに行ってあげてもいいですよ。』
『そんな風に言われたら、凄く嬉しい、ありがとう!』
『じゃあ、また!』
『また会社で。』
・・・職場では相変わらず、パワハラやセクハラ発言の多い上司だが、
私と二人で飲みに行く時は凄く優しくて紳士的な上司に変わる。
そんな関係が少し続いた頃、上司から思いがけない事を言われてしまった。
『”俺と正式に付き合わないか?“』
『えぇ!? で、でも、奥さんが居るじゃないですか?』
『”3日前に正式に妻とは離婚したんだ。“』
『・・・そ、それって、私のせいですか?』
『かもな~!』
『笑って言う事じゃないじゃないですか!』
『”でも本当の事だし。“』
『本当に私でいいんですか?』
『勿論! キミがいいだ!』
『じゃあ、よろしくお願いします。』
『うん。』
最初は傲慢な上司の誘いを断っていたのだけど、そのうち断れなくなって
気が付けば本気で上司を私は好きになっていた。
”不思議なモノであんなに嫌いだった上司を今はかけがえのない存在として
私は彼を見ている。“
勿論! 職場では内緒だ!
これからも彼と一緒に居る時間を大切にしたいと私は想っているわ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




