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作戦会議(中編)

毎日投稿できるように頑張ります。

「――――どうだ? 俺は、わりと上手くいくと思うんだけど」


「そうだなぁ……」


「悪い作戦ではない……のか?」


「俺にはちょっと想像がつかないな」


 作戦の詳細を聞かされた皆の反応は、肯定派と否定派が半々だった。


 もっとも、否定的な意見の多くは、どうなるか予想がつかないという消極的なものだ。


 そんな中、ハウンドとボルゾイの二人は、比較的肯定的な感想を抱いてくれた。


「俺は良いと思う。後は口八丁でなんとかするしかないだろう」


「そうだな。サルーキという男の性格を考えれば、興味を引くことはできるはずだ」


「よし。じゃあ決まりだ。この作戦で行こう」


 俺は即断即決すると、早くも話をまとめにかかった。


「ハウンド、ここから敵の本拠地までどれくらいかかる?」


「大森林内部の拠点までなら、そんなにかからない。だが、港湾都市のオターネストまでなら半日ってところだな」


 ハウンドの話では、魔王軍はかつて森人の集落だった場所を拠点にしており、そこには獣人の探索部隊が五十名ほど常駐しているらしい。


「今日、やってきたのは、ボスのサルーキと副官のオズを除けば、全員がそこに駐留している連中だ。俺を魔王軍に勧誘してきた獣人が、取りまとめ役をしている」


「ライカやサルーキも、そこにいると思うか?」


「サルーキは軍のトップだからな。オターネストを何日も留守にはしないはずだ。その点ではオズもサルーキに同行する可能性が高い。ライカは……どうだろうな」


 オターネストまで連行されずに、森人の集落に監禁されている可能性もある、と。


 ハウンドは自信なさげに言い淀んだ。


「オターネストか、森人の集落か、二つに一つか……」


 もし、ライカが森人の集落に抑留されているのであれば、俺たちがオターネストに乗り込む必要はなくなる。


 だが、先に森人の集落に攻め込んで、そこにライカがいなかったら――――


『オターネストに急使を飛ばされて、作戦は失敗しますね』


 敵に警戒されたらアウトである以上、情報の漏えいは計画の破たんに直結する。


 そして、正攻法では勝ち目が無い以上、五十人の敵を全員無力化することは不可能だ。


(ライカがどっちにいるか、調べることはできないか?)


『無理です。僕に調べられるのは、守護対象である覇王丸さんの周辺だけなので』


(なら、俺の周辺数百キロの範囲を調べろ)


『無茶を言わないでくださいよ。一応、世界情勢をチェックして、情報収集しますから』


(ネットニュースを巡回するだけじゃねーか)


 役に立たないこと、この上ない。


 俺は山田に見切りをつけ、自分の考えで結論を出すことにした。

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