ボルゾイと話す
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家に戻ると、周囲がデモ会場のように、多くの住人で溢れかえっていた。
皆、ボルゾイの容態が気になって、居ても立ってもいられずに集まってきたようだ。
大勢で見舞いに押し掛けたら安静にできないし、気も休まらないからと、玄関の前で要人が繰り返し説明をしているが、住人たちは一向に帰る様子が無い。
俺は人垣をかき分けて要人に近づき、話しかけた。
「おい、ボルゾイの状態はどうだ?」
「覇王丸殿……。回復薬を使用したため、一命を取り留めました。数日は絶対安静ですが、意識ははっきりとしています」
「そうか。じゃあ、話があるから会わせてくれ」
「は!? いえ、ですから、今は絶対安静で……」
「ライカのことで大事な話がある」
俺がわざと聞こえるような声でライカの名前を出すと、要人だけではなく、それを耳にした住人たちまで、ぴたりと口を閉ざした。
「のんびりしている時間は無い。無理は承知の上なんだ。今すぐ会わせてくれ」
「し、しばしお待ちください」
さすがに、独断で決めることはできないと判断したのか、要人はいったん奥に引っ込んだ。
「皆にも、頼みたいことがある」
待っている間に、俺は周囲の住人たちを見回し、大きめの声で呼びかけた。
先程、ライカの名前を出した影響か、全員がすぐに俺に注目してくれた。
「俺は今からボルゾイと同じ話をしてくるから、皆は後ろのおっさんから詳しい話を聞いてくれ」
「はぁ!?」
俺が人垣の向こうに立っているおっさんを指さすと、住人たちは一斉に後ろを振り返る。
――――そして、おっさんの後ろにいる人物を見て、悲鳴のような驚愕の声を上げた。
(まあ、驚くよな)
『それよりも何ですか? さっきの物凄い丸投げは?』
(二回も同じ話をするのは面倒くさい)
その時、奥に引っ込んでいた要人が、慌ただしく戻ってきた。
「お待たせしました。ボルゾイ様がお会いになるそうです」
「そうか」
俺は恨めしそうな視線でこちらを睨みつけるおっさんに手を振り、家の中に入った。
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