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あなたと生きた世界  作者: 仙夏
日和

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9/27

09

【主な登場人物一覧】

蘭寮   寮長:神楽凜(8) 副寮長:蒼井茜(7)

向日葵寮 寮長:阿久津陽向(8) 副寮長:日向悠人(7)

葵寮   寮長:優木澪(8) 副寮長:緑川颯(7)

菫寮   寮長:橘立夏(8) 副寮長:一条優(7)

蓮寮   寮長:水瀬莉(8) 副寮長:水瀬藍(8)

楓寮   寮長:星宮柊(8) 副寮長:黒川伊織(7)

蓬寮   寮長:桜庭海(8) 副寮長:一ノ瀬南海(7)


学園の生徒の学年は、1年生から8年生までで、上記の( )の中の数字がそれぞれの学年です。

副寮長で作戦会議をするのに、学園の敷地の中でもあまり人が寄り付かない副寮長の秘密基地で集まった。

茜 「じゃあ、一日目は町の店で働いて食品を買ってから、残りの日数は例の空き家で特訓だな。」

颯 「うん。じゃあ、食べ物屋が手っ取り早いね。」

南海 「クレープ屋とラーメン屋が生まれ変わりの橋を渡って、お店を閉めていて、りんご飴屋とフレンチレストランが新しくできたらしいよ。」

茜 「あんまし、長く持たない食べ物の店だな。」

藍 「そこは後で考えるとして…皆、外出届は出せたか?」

颯 「僕は出しましたよ。」

優 「私も。」

伊織 「まぁ、そこの寮長はやさしいのツートップだから。」

茜 「俺、まだ怖くて出せてない…」

悠人 「俺も。」

藍 「俺もだよ。何か、馬鹿にされそうな気がして。」

南海 「でも、今の寮長たちが副寮長だった頃、寮長たちも僕らと同じようにホリデーウィークの全日数で外出したことがありましたよね。」

優 「あっ、あったあった。うちの寮長は特に心配されていたから、理由を詳しく聞かれてたな。」

伊織 「寮長たちには、俺らの外出理由知られたくないもんな。」

悠人 「あぁ。寮長たちへの恩返しだから。」

南海 「毎年出されてる外出届ってどこにあるんだろ。捨てられてるのかな。」

伊織 「噂では、学園長先生が大事に保管していて、夜な夜な読んでるって噂だ。」

茜 「そうなのか。じゃあ、学園長先生に見せてもらうか?」

伊織 「ただの噂だ。よく聞くだろ?この学園の七不思議。」

優 「それ、良く知らないんだけど、七不思議ってどういう内容なの?」

伊織 「俺も全部は知らない。でも、これが一つらしい。」

茜 「ある昔の生徒がろうそくに見入って、夜中に時間を数えてる声が聞こえるってのが一つだ。一秒、二秒って。」

悠人 「お菊さんみたいだな。」

すると、外から足音が聞こえ、秘密基地の入り口から誰かが入ってきた。

南海 「あっ、寮長。」

海 「げっ、副寮長全員揃ってる。」

茜 「さぼりですか?」

海 「んなことないよ。授業の休憩時間。お前らは?」

藍 「俺らも休憩時間だよ。海はよく来てるのか?」

海 「よく昼寝してる。何の話してたの?」

桜庭先輩は南海が出していた外出届を見た。

海 「おぉ、作戦会議?」

伊織 「ホ、ホリデーウィークどうしようかと。」

海 「皆で修業しに行くんだろ?」

南海 「りょ、寮長。なぜ、それを?」

海 「たいてい副寮長は、毎年どこかでそういう計画をするからな。今年は、あの一件があって、何もかも例年より早くなってる。そろそろだろって、凜も言ってたし、南海の外出届見てピンと来た。で、何を悩んでるんだ?」

桜庭先輩は普通に僕らの輪の中に座った。

悠人 「…皆、理由のところで悩んでいるんです。」

海 「理由?南海は、自分探しの旅か。」

南海 「りょ、寮長…!」

海 「良いじゃんか。俺が前に同級生と同じように町に行ったときも同じ理由だった。立夏くらいだよ、理由を問い詰められたの。ほかは、皆笑って受け取ってくれた。」

伊織 「本当ですか?」

海 「てか、藍も一緒に同じ理由で行ったじゃんか。」

藍 「今回の相手は兄貴だからな。普通の寮長に出すのとでは訳が違う。」

海 「なるほどなー。でも、皆が凜たちを怖がってんの面白い。」

藍 「お前もその一人だけどな。」

海 「別に怖くないと思うんだけど。俺、外出届拒否したことないぞ。」

南海 「そ、それはそうなんですが…」

海 「まっ、止める理由は無いし、自分探しの旅、存分にして来いよ。」

悠人 「は、はい。」

優 「そ、そうだ、桜庭先輩。学園の七不思議、知ってますか?」

海 「七不思議?あー、一個だけ知ってる。生物小屋に夜中忍び込むと亡くなった生物が走り回ってるって。」

南海 「何て、適当な不思議なんですか。」

海 「知らねぇよ。七不思議なら、俺より柊の方が知ってると思うぞ。」

優 「星宮先輩ですか。」

海 「そういうの好きだからさ。あぁ見えて。」

すると、鐘が鳴った。

海 「はーい、皆次は授業だろ?行ってらっしゃい。」

南海 「はい。では、失礼します。」

秘密基地を出ると、秘密基地の窓から桜庭先輩が手を振っていた。

優 「秘密基地が秘密じゃなくなってる。」

茜 「桜庭先輩、去年まで俺らとあそこにいたからな。」

南海 「あぁ見えて、鋭いんだよなぁ…何だか、全てを見透かされている気がする…」

伊織 「でも、もうすぐ外出届の受付期限だ。」

悠人 「じゃ、じゃあ、今日中に外出届を出そう。皆で出すと思えば怖くない。」

皆でそう約束し授業に向かった。


そして、ホリデーウィーク初日。

学園の門には町に行く生徒と森に行く生徒が集まっていた。

森に行く許可が出たのは、上級生の中でも最上級生だけ。

桜庭先輩と阿久津先輩が先導して森に行く生徒が先に出発し、その後に寮長が門のところに来た。

澪 「立夏。町に行く生徒は全員揃ったよ。」

立夏 「助かる。では、出掛けよう。」

寮長と優木先輩を先頭にして、生徒が出発し、後ろから星宮先輩と神楽先輩が歩いていた。

僕は、寮長と優木先輩を見ていた。

澪 「今日は川辺で遊ぶ子たちの見回りだね。」

立夏 「あぁ。」

澪 「近くにかき氷屋ができたらしいよ。食べようか。」

立夏 「そうだな。」

町に到着し、それぞれが分かれて目的地に向かった。

僕は、結局初日は川で釣りをすることにしたため、蘭寮の蒼井茜と川に向かった。

川には多くの生徒が来ていて、寮長が小さい子を見ていた。

茜 「上流に行くか。」

優 「そうだね。」

静かな場所で釣りを始め、何匹か釣った後に寮長を見ると足を川に付けながら、優木先輩とかき氷を食べていた。

茜 「あの二人、授業以外だと本当優しいよな。」

優 「授業も優しいよ。」

茜 「優木先輩の試験の採点は学園一厳しいと評判だぞ。」

優 「嫌な評判だね…」

茜 「でも、それ以外は本当優しい。」

優 「神楽先輩と何かあった?」

茜 「うちの寮長は、基本的に完璧主義だからな。部屋の物の配置とか少しでもずれるとキレられる。」

優 「あぁ、前から言ってたね。」

茜 「それに薬草学の実習、俺だけ何となく厳しい感じがするし…」

優 「期待されているんだよ。僕なんて、こないだ、何で薬草学だけ点数が低いんだって聞かれたもん。」

茜 「でも、優は、本当、薬草学だけ引くほど点数低いよな。あれがなきゃ、簡単に学力トップになれるのに。」

優 「前に薬草学を担当していた寮長が苦手だったからね…」

茜 「あー、あれは評判が分かれたな。薬草の特徴と効能を歌で覚えさせようとした授業。」

優 「しかも、あの人、音痴だから毎回音程が変わるし…何一つ入ってこなかったよ。」

茜 「その点、うちの寮長は教え方はうまいよな。今回の薬草学の授業は良い点取れそう。」

優 「今年は、桜庭先輩以外二年目だからね。元々、能力も高めの人たちだから。」

茜 「だな。今年の寮対抗戦は何か恩返しできたらいいな。」

優 「ふっ、結局神楽先輩のことが好きだよね、茜は。」

茜 「もちろん。寮長には何度も救ってもらってるから。今年が一緒にいられる最後のチャンスかもしれないし。」

優 「同感。」

茜 「そういや、菫寮の飛翔晴樹ってどうなってんだ?」

優 「飛翔がどうかした?」

茜 「体力面は本当に弱いみたいだが、勉強面ではあいつがトップになるだろうって。」

優 「あぁ、僕もその噂は聞いたよ。飛翔は記憶力が良いからね。」

茜 「へぇ、良い才能をお持ちだこと。」

優 「楽器も弾けるみたいで、藤咲がイベントで司会するときに隣で引いてほしいってスカウトしていた。」

茜 「何の楽器?」

優 「ピアノ。コンクールで何度も優勝してるらしい。」

茜 「すげぇ。体力測定で倒れたやつとは思えないな。」

優 「うん。それに、入学式の日、誰よりも目覚めるのが早かった。だから、学園を抜け出せたんだと思うんだけど、学園長先生曰く、あの早さで目覚めるのは異例だって。」

茜 「親友の笹沼俊は一番の寝坊だったらしいけどな。」

優 「ふふ。笹沼は、普通に朝起きるのも苦手だから。」

茜 「毎朝、起こしてんだろ?」

優 「でも、あの子は素直だから苦労はしないよ。素直過ぎて思ったことを何でも口にするけどね。」

茜 「どの授業でもすぐに質問するから、授業は進まないだろうけど学びは深まっている気がする。」

優 「うん。学園長先生と副学園長先生の役割を調べるのも笹沼のおかげで第一回目の世界論でやったんだ。」

茜 「俺らは秋頃だったな。」

優 「うん。でも笹沼、自分が起きるまで学園長がつきっきりでベルを鳴らしていたのには気づかなかったよ。」

茜 「面白いやつだな。鋭いんだか鋭くないんだか。」

魚をたくさん釣って、帰り支度をしていると優木先輩がいらした。

澪 「おぉ、結構釣ったね。」

茜 「はい。食料は持ちそうです。」

澪 「そうか。それは、良かった。そろそろ夕方になるから学園に戻るよ。二人は頑張ってね。ほかの副寮長たちにもよろしく。」

優 「はい。ありがとうございます。」

町の外れにある空き家に集まって、次の日から特訓をした。

ホリデーウィーク最終日、町の集合場所に行くと生徒は一人もいなかった。

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