4連続模擬戦(14)
鋭い突きが何度も繰り返される。
セイヤはそれを能力を使ったり、持ち前の身体能力を使って全て回避している。
「攻撃して、こないのかッ!」
レイが突きを繰り出しながら問いかけてきた。
その顔は挑発的だった。
「……」
ここでこんな安い挑発に乗ったらダメだ。
攻撃をすれば、するほど隙もうまれやすくなる。そんなリスクの多いことは出来ない。
「黙りか。……回避がいつまで続くか楽しみ…だッ!」
喋りながらも槍を突くことを止めてくれない。
こっちには喋るほどの余裕が無いんだよ!
さっさと隙を見せろよ!
セイヤは心のなかで理不尽に怒っていた。
「ハッ、ハッ、ハッ!」
「『影盾』」
能力を使いながら避ける。
シールドが雪の結晶へと変わっていく。
「大分溜まったな」
レイは、自分の周りに舞う雪の結晶を見ながら、そう小さく呟いた。
小さな呟きは、不思議とセイヤの耳にも届いた。
溜まった? 雪の結晶がか?
そう言えば言ってたな。雪の結晶も何かに使えるって。
……これってヤバいやつですか?
「……」
レイが突きとは違う構え、槍を降り下ろす構えをした。
これはチャンスか?
いやまて、この距離で降り下ろしても俺には当たらないだろう。
槍の刀身の部分に雪の結晶が集まりだした。
そして、
「『アイススラッシュ』!」
勢いよく、槍を降り下ろした。
「えっ!?」
降り下ろされた槍から斬撃が飛んできた。
斬撃を飛ばすとか○リーチか!
しかも氷の斬撃とか!
物凄いスピードでセイヤへと突っ込んでいく斬撃。
ここはやはり定番の、
「『影盾』!」
セイヤは唱えた瞬間に横に跳ねた。
スパッ!
セイヤの横をすれすれで斬撃が通っていった。
シールドが綺麗に二つに割れた。
斬撃はステージの外へ出たときに雪の結晶へと変わっていた。
凄い威力だな。
これはヤバそうだ。
早く終わってくれよ……。
まだ模擬戦は終わらない。
評価よろしくお願いします!




