4連続模擬戦(12)
あんな武器の対抗手段なんて無いんだけど……どうすればいいかなぁ。
そんなセイヤの考えなどお構いなしに、レイが攻撃してくる。
「では行くぞ!!」
「ッ!?」
セイヤはレイの突きをスレスレでかわした。
さっきの掛け声がなければ避けられなかったな。
セイヤは静かに冷や汗を流すのだった。
さっきまでの攻撃とは比べ物にならないくらい鋭い突きだった。
「……レイピアだけじゃないってことか」
「そう言うことだ」
レイが得意気な顔で言う。
何故かその顔に無性に腹が立った。
絶対に勝ってやる!
やる気だけは増す。
「ドンドン行くぞ」
そう言うとレイは駆け出してきた。
「やぁ!」
そして槍を降り下ろした。
「よっと」
軌道が見え見えだったから、セイヤも余裕をもってかわすことができた。
さっきのより遅い?
突きが得意過ぎるのか?
ふと、槍が降り下ろされた地面を見る。
「!?」
そこには、
……槍で削られた地面が、雪の結晶へと変わっている光景だった。
キラキラとした結晶へ変わり、レイの周りを舞っている。
本当だったのか。
恐ろしい武器だ。
レイが言うには、人間は結晶には《・・》ならないって話だが、用心して一撃も当たらないようにした方が良いだろう。
「洒落になってないよな」
全く……どうやって攻略すればいいんだか。
先ずはあれを試さないとな。
上手くいけば現状が大幅に改善され、ダメだったら現状維持だ。
ダメだったとしても現状維持ならやった方がいいだろう。
さぁて、実験の時間を始めようか。
評価よろしくお願いします!




