4連続模擬戦(11)
ここからが本当の戦いだ。
「私がこれを出すのは模擬戦では初めてだぞ」
レイがニヤリと笑いながらそう言ってきた。
今のレイは、ものすごく長い槍を持っているみたいに見える。
それたけじゃなく、レイの周りにキラキラと雪の結晶が舞っている。
しかし、レイピアが木製だからか、あまりかっこよくは見えない。
「ここにきてそんなもの出すのかよ」
セイヤの背中に、冷や汗が流れる。
木製だからといってあまく見てはいけないだろう。
少なくとも今持っている木製の剣では太刀打ち出来ないと思う。
「お前はそれだけの相手だということだ」
嬉しいこと言われている用だけど、全く嬉しくないのは何でだろう。
……とりあえずあの武器の強さを知らないと対処のしようがない。
「俺のことを過大評価し過ぎだろ」
「私は正当な評価をしているまでだ」
正当な評価ねぇ……。
ホントに何も出来ないんだけどな。
どうせなら、
「評価してくれるならその武器の性能を教えてくれよ」
セイヤの言葉でレイがキョトンとした顔をした。
それはすぐに笑顔へと変わっていった。
「ハッハッハッ! お前はやっぱり面白いな。敵に説明を求めるとはな。良いだろう、少しだけ教えてやる」
レイは笑顔で説明し始めた。
「この『零氷武合』はな、『アイスボール』と同じで、切った物を凍らせるんだ。そして、凍らせたものを雪の結晶へと変化させるのだ。雪の結晶にも性能はあるが……まぁそれはお楽しみと言うことだ」
切った物を凍らせて雪の結晶に……。
ヤバい武器じゃねーか!?
人を切ったら完全犯罪だって出来るだろ。
俺の考えが顔に出たのかレイが笑いだした。
「ハッハッハッ! 安心しろ。人が雪の結晶になることはないからな」
「それなら安心したよ」
しかし、それでも反則級の力だろう。
一体こんなやつとどう戦えばいいんだよ。
「まぁ頑張ってくれよ」
レイがニヤリと笑いながらそう言ってきた。
精一杯やらせていただきますよ!
評価よろしくお願いします!




