4連続模擬戦(5)
リュカのファイヤーボールは予想以上の威力をしていた。
そのおかげでシールドがボロボロと崩れかけている。
これは連発されるとあっという間に殺られるな。
セイヤは冷や汗を流していた。
どう対処すればいいか。
セイヤは考える。
しかし、リュカはそんなことお構い無しに杖を振る。
「ふぁ、『ファイヤーボール』」
「!?」
また来た!
だがあと一発程度ならまだシールドは耐えられる!
「『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』『ファイヤー』ふぁッ! いたぃ…舌噛んじゃった」
セイヤの希望を打ち砕くようにリュカは魔法を連発する。
「ちょ! ヤバいッ!!」
セイヤは勢いよく飛んでくる火の玉をスレスレで回避していく。
セイヤの後ろで小さな爆発音が何回も聞こえる。
マジで連発出来るのかよ!
幸い舌噛んでくれたから止まったけど、噛まなかったらどうなってたか。
とりあえず何か対策を考えないと。
……ダメだ! 今の俺じゃああの火の玉をどうこうする力はない。
セイヤは焦りだした。
リュカはまだ痛がっている。
しかし、またいつ魔法を撃ってくるのか分からず攻められない。
……落ち着け。
落ち着けば何か浮かぶかもしれない。
セイヤは深呼吸する。
セイヤの深呼吸が終わる頃にはリュカも痛みが収まっていた。
きっと魔法にも弱点があるはずだ。
そこを見極めろ!
「や、やっと収まったぁ……え~と『ファイヤーボール』」
セイヤはリュカの動きに集中する。
先ず魔法名を言い、そして杖を振る。すると杖の先から火の玉が出てくる。
「分かっ…あぶねッ!」
飛んでくる火の玉をギリギリ避ける。
「危なかったぁ……でもそのおかげで分かった」
リュカは多分杖がないと魔法が使えない。
もしくは威力が弱まるんだろう。
何故ならリュカは毎回杖を振っていた。
それに杖の先から火の玉が出ていた。
これは杖を媒体にしているからだ。(ライトノベル知識)
それならばリュカから杖を奪えばいい。
ただその為にはリュカに接近しなくてはいけない。
そうすると俺はリュカの格好の餌食だろう。
だが、対策が見つかっただけありがたい。
何もしないよりは絶対にいいはずだ。
セイヤは心の中で覚悟するのだった。
こうしてセイヤの無茶な戦いが始まる。
「絶対に勝ってやる!」
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