4連続模擬戦(4)
魔法とはいったい何だろう。
その答えを知っている者はいない。
ライトノベルなどでは魔法は便利な物とされているが、この世界では能力の方が便利である。
なら、なぜあえて魔法を使うのか。
それをこれから始まる模擬戦で見極めていきたい。
◆◆◆◆◆
「ではこれからリュカとセイヤの模擬戦を始める! ルールは先程と同じ、準備はいいか?」
「う、うん」
「あぁ」
ロイを倒してすぐにリュカとの模擬戦が始まろうとしている。
ロイは委員長が見てくれている。
「では……始め!」
模擬戦が始まった。
両者とも特に動きはない。
動きのなかったリュカがゴニョゴニョと喋りはじめた。
「ご、ごめんね……連続でつ、疲れてるよね」
なんと俺の心配をしてくれているようだ。
優しい子なんだな。
「大丈夫だよ。体力はあるからね」
セイヤは手に持っていた剣を降ろし、話を聞く体制になった。
「そ、そっか……なら良かった」
リュカは「ふぅ」と胸を撫で下ろした。
そんな仕草にセイヤはいちいち可愛いなぁと思っていた。
あぁ、さっきまでの疲れが癒されていくなぁ。
……あ、断じて俺はロリコンではないからな。そこんとこ間違えないでくれよ!
作者はどうかは知らないけどな。
「あ……お話ばっかりでご、ごめんなさい」
リュカが突然謝りだす。
「いや、いいよ」
セイヤはにこやかにそう返した。
「あ、ありがとう……えと、模擬戦お願いします」
もう始まっているのにお願いしますかぁ。
……俺この子に攻撃できるかな?
「うん、よろしく」
こうしてようやく模擬戦が始まった。
「じ、じゃあいくよ……ふぁ、『ファイヤーボール』」
リュカは自分の背丈ほどある杖を振り回してそう唱えた。
杖からはバスケットボールほどの大きさの炎が飛び出してきた。
「『影盾』」
セイヤは迷わず能力を発動させる。
それほどの脅威があると判断したからだ。
シールドとファイヤーボールがぶつかった。
ドガンッ!
大きな音をたててファイヤーボールが爆発した。
シールドがギリギリ耐えられるほどの威力があった。
……マジか。
詠唱も無しにあんな威力のものをポンポンと出せるのかよ。
人は見かけによらないとは言うけど、よらなすぎだろ!
こうしてセイヤにとって初めての魔法使いとの戦闘が始まった。
評価よろしくお願いします!




