4連続模擬戦(3)

　どうも4人連続で模擬戦をしているセイヤです。

　

　まさかあんなにロイが強いとは思わなかったな。

　あの、ブラストからの背後回りはほぼ初見殺しだと思うわ。

　ということで、今も戦っております。

「やっぱり兄貴は強いっすね!」

「お前も強いじゃないか!」

　会話しながらも、武器同士を打ち合っている。

　かれこれこれが5分くらい続いている。

　お互いにそろそろ攻め時だとは思っているが迂闊には動けない状態だ。

　

　だがそんな状態でも動かないとな。

「そりゃあ!」

　セイヤは右手にあった剣をロイに投げつけた。

「!?」

　あまりの予想外の行動にロイが一瞬止まってしまう。

　その隙をセイヤは逃さない。

「ふぅッ!」

　一瞬でロイへと近付く。そして残った剣ではなく、新しく出した影剣《・・》で攻撃する。

　これでロイは投げられた剣と、セイヤの攻撃の両方を対処しなくてはいけなくなった。

　しかし、ロイはもう止まってはいなかった。

「危ないっす!」

　ロイは冷静に始めに飛んできた剣をダガーで弾く。

　そして、後ろへとジャンプした。

　この事によって、セイヤの剣は僅かに届かなくなってしまった。

　やっぱり避けられたか。

　だが、それも予想通りだ!

　セイヤは構わず攻撃を続行する。

　そして、もう少し長ければ当たるというところで、叫んだ。

「伸びろッ!」

　その叫びに答えて影剣は、その刀身を伸ばした。

「ちょっ!」

　刀身が伸びた事によって余裕で攻撃が当たるようになった。

　ジャンプした事によってそれ以上動けなくなったロイに思いっきりセイヤの影剣が当たる。

　攻撃はロイの横腹を捉えた。

　

「ぐわぁぁぁぁ!!」

　

　そして、攻撃の威力でロイは吹っ飛んでいく。

　そのまま場外まで飛ばされてしまった。

「ふぅ」

　これでようやく半分か。

　……疲れるわぁ。

「でも」

　楽しかったな。

　まさかアイツがあんなに強いとはな。

「よし、頑張るか。……じゃあ次の人!」

　セイヤは次の模擬戦相手を急かすのだった。

　次の対戦相手は……リュカだ。

　はたしてリュカの魔法はどれだけ強いのか。

　楽しみだ。