4連続模擬戦(2)
「さぁ、次は誰だ」
委員長は置いておいて次の相手を急かす。
早く終わらせたいからな。
ロイが勢いよく手を挙げた。
「じゃあ俺がやりたいっす!」
みんなもそれを見て、落ち着くを取り戻していく。
「分かった。じゃあレイは委員長を見ててくれるか」
自分がやったのもなんだが人に任せよう。
「あ、あぁ、任せろ」
これで委員長も大丈夫だろう。
さて、次はロイが相手だ。
前回の授業の時は全然本気じゃなかったから楽しみだな。
ロイがステージに上がってくる。
「お願いしますっす兄貴!」
ロイがニコニコしながら言ってくる。
「あぁ、よろしく」
俺も楽しみを押さえられないような顔で返事をした。
「それじゃあさっきと同じルールでいくぞ」
いつの間にか二人の間に来ていたレイに、二人ともはいと言う。
「それでは……始め!」
勝負が始まった。
先に動いたのは、
「ブラスト!」
ロイだった。
セイヤへと向かって、黄緑色の突風が放たれる。
「!?」
コイツも始めから能力使ってくるのか。
俺は何とかブラストをしゃがんでかわし、ロイを睨み付けた。しかし、もうそこにはロイはいなかった。
「どこに!?」
周りを見回そうとすると、後ろから気配を感じた。
俺は急いで能力を発動させる。
「『影盾』」
設置する場所は俺のすぐ後ろだ!
ガンッ!
後ろから鈍い音が聞こえてきた。
やっぱり後ろにいやがったか。
まさかブラストが目眩ましだったとはな。
「やるっすね兄貴!」
影の壁越しにロイが話しかけてきた。
「お前も予想以上に強いよ」
「お互いここからが本気っすね」
「あぁ」
ここからが第2ラウンドの始まりだ。
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