4連続模擬戦(1)
どうも、何故か4人連続で模擬戦をすることになったセイヤです。
どうしてこうなった……。
と言うかこれって俺が一番手の内をあかす事になるよね。
いくらなんでも酷くないですか?
そんな俺の考えなどお構い無しに状況はどんどん進んでいく。
そして今、委員長とステージの上で向かい合っている。
「よろしくねセイヤ君!」
模擬戦用の弓を背負った委員長が言っている。
ちなみに矢は先が尖っていない物を使っている。
俺も模擬戦用の剣を2本手にもっている。
もう一度言おう……どうしてこうなった。
「あぁ、よろしく」
元気のない声で返した。
そんな二人の間にレイが現れた。
「では、ルール説明をする。参ったと言うか、ステージから落ちた負けだ。今回は前回の授業とは違い能力の使用も可能だ」
なるほど。
前回のルールに能力の使用が許可されただけか。
「準備はいいか」
「うん」
「あぁ」
セイヤとサリカは、お互いに武器を持ち、戦いの始まりを今か今かと待ちわびている。
「それでは……始め!」
戦いが始まった。
最初に動いたのは……サリカだ。
「ロックタワー!」
「!?」
いきなりの能力の使用か!
どんな能力だ!
委員長の足下の石でできたステージが盛り上がっていく。
どんどんどんどん伸びていき、ついには高さ7mほどまで伸びた。
そこで委員長は弓矢を構えて、セイヤを狙っている。
「ちょっとズルくね!」
自分は攻撃の当たらない所から悠々と矢を射ってればいいだけじゃん!
「ありゃりゃ~早速出たっすね~委員長の必勝パターン」
「そうだな。あの攻撃の当たらない場所からの正確無比な矢を射続けて相手の体力を奪っていく。えげつないやり方だ」
「そうっすね。それに連射してくるっすから相手は攻撃に転じれず、防御に集中しなくてはいけないっすからね」
なんか解説が聞こえたぞ!
委員長ホントにえげつないやり方だな!
「えげつないなんて酷いですよ!」
そう言いながら矢を射始めた委員長。
確実に急所を狙って射られた矢を剣で弾きと飛ばす。
そのあとも続々と急所を狙った矢が飛んでくる。
ホントにえげつないな委員長。
人は見た目によらないな。
しかし、どうこの矢の嵐を掻い潜って委員長を倒すか。
「とりあえずじっくり考える為に『影盾』」
足下からニュッと黒い壁が現れた。
その光景にみんなは驚いた。
「……まさかあの矢の中で能力を発動できるとは」
「さすがっす兄貴!」
え?
あの中じゃあ能力って発動できないの?
でも普通の矢ぽかったから集中力的なものか。
そんな事よりどうして委員長を倒すかだ。
う~ん……思いつかん。
よし、めんどくさいし力技でいくか!
そう思い、影離を発動させてシールドを動かせるようにする。
そしてシールドと一緒に委員長の作ったロックタワーの元へと歩いていく。
相変わらず委員長は矢を射ってくるが全く効いていない。
他のみんなも何をするんだという目で見てくる。
ロックタワーの元へと辿り着く。
ロックタワーの太さは大体30cmほどだ。
「ちゃっちゃと終わらせますか『ハンマー』」
シールドがハンマーへと形を変える。
みんながまさかといった感じの顔にかわる。
俺は剣を置き、ハンマーを持ち上げた。
そして思いっきり振りかぶった。
ドガンッ!
と言う音とともにロックタワーが倒れ始めた。
ロックタワーの上にいた委員長があわわあわわと焦っている。
そしてついに、
ドーンッ!
ロックタワーは倒れてしまった。
ステージの外、場外に倒れてしまった。
よって俺の勝ちだ。
その結果にみんなポカンとしている。
そんなみんなにセイヤは、
「さぁ、次は誰だ?」
と、言うのだった。
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