ハクさんへ報告
俺は今、ギルドの前に来ている。
ハクさんに報告しに来たんだ。
「しかし……」
ギルドにくるまでめっちゃ見られてたな。
それも不審そうに。
……まぁ俺の格好を見ればそうなるよな。
分かってはいたけど結構傷つくんだよな。
せめてフードだけでもとればよかったかな? もう遅いか。
「はぁ、もういいや」
そう言ってギルドに入っていった。……フードをとって。
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ギルドの中は何時もより賑わっていた。
特に酒場が賑わっている。
もう夕方だからか。
防具屋で時間を使い過ぎたな。
賑わいを気にせずハクさんのカウンターへ歩いていく。
……なんかめっちゃ視線を感じるんだけど。
気のせいかな?
「おい、あのローブ」
「あぁ、A級以上だな」
「アイツ、あのランクであんなもん着てんのかよ」
「ランク以上の実力をもっているのか、貴族の坊っちゃんか」
「とても貴族には見えないな」
「あぁ、だとしたらランク以上の実力だな」
気のせいじゃなかった。
俺の事を言うんだったら俺の聞こえない所でしろよ。
まぁ神様から貰った体は聴覚もスゴいからアイツらは聞かれているとは思ってないだろうけど。
ようやくカウンターにつく。
体感としては何時間も経った気分だよ。
「遅かったですね」
ハクさんが笑顔で言ってくる。
「いろいろあったからね」
苦笑いをしながら答えた。
「ふふっ、そうですか。……良い防具が買えたようですね」
「おかげさまでね。ちゃんとお金返すから」
「はい、何年かかっても大丈夫ですよ」
ハクさんが笑いながら言ってきた。
「さすがにそんなにかからないよ」
「ふふ、まぁ気長に待ってます」
まぁ大金だもんな。
頑張って返そう!
そう誓うのだった。
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