ローブの着心地
おやっさんの店の中庭。
「兄貴……ホントに着るんすか?」
ロイが不安そうに聞いてくる。
それもそうだろう。
装備者へ害のある物かも知れないんだからな。
「一回着てみて様子をみようと思う。大丈夫、脱げない訳じゃないんだから」
ロイを安心させるように言う。
これでもし脱げなかったらもう呪いだよな。
「兄貴がそう言うなら大丈夫っすね」
ロイもとりあえず納得してくれたようだ。
多少の不安はあるが仕方ない。
男は度胸だ。
「じゃあ着るぞ」
自分の決心をつけるために声を出す。
ゆっくりローブに袖を通していく。
袖を通し終わりフードも被る。
はたから見たら怪しいヤツにしか見えないなこれは。
「どうっすか兄貴」
ロイが心配そうに聞いてくる。
「今のところなんともないな。着心地も悪くないし」
悪くないどころか着ているか分からなくなるくらいだ。
なんの変化もないってことは大丈夫なのか。
それとも能力を使っていないからか。
「なにかあったら言ってくださいね兄貴」
「あぁ、ありがとう」
ロイバカだけどこういうところはいいやつだよな。
さて、少し能力を使ってみるか。
……いや、その前に、
(『ステータス』)
セイヤ・カゲノ 16才 異世界転生者
武器:ダークブリンガー
防具:Aランクローブ(0%)
魔法:使用不可
能力:【影】(4%)
【影伸縮】
【影離】
防具名ではAランクローブっていうのか。
……しかし、この%なんだ?
まさか防具にも%があるとはな。
これは能力であがるのか?
「『影剣』」
影から剣が生えてくる。
その光景にロイが驚いている。
ロイには見せない方がよかったか。
まぁいいか。
それで何か変化があればいいんだが。
(『ステータス』)
セイヤ・カゲノ 16才 異世界転生者
武器:ダークブリンガー
防具:Aランクローブ(1%)
魔法:使用不可
能力:【影】(4%)
【影伸縮】
【影離】
よし、1%あがってる。
これなら直ぐに100%に出来るな。
早速やっていこう。
それからセイヤは影剣を出しては消すを繰り返すのだった。
しかしこの時、ロイが鋭い目を向けている事には気が付かなかった。
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