防具を買う(1)
ハクさんに渡された地図を見て歩くこと15分弱、防具屋に着きました。
「ここがハクさんが紹介してくれた防具屋かぁ」
思っていたよりも大きくないんだな。
防具屋っていうともう少し派手な感じだと思っていたんだけど……普通だな。
まぁ、現実はこんなもんか。
気持ちを切り替え、店に入る。
中にはさまざまな鎧や色とりどりの布が飾られていた。
「へぇ~やっぱり中はちゃんとしてるんだな」
少し失礼な事を言いながら店を見回した。
あれ?
店員がいないんだけど……どうすればいいんだ?
「あれ? 兄貴じゃないっすか」
「!?」
真後ろから声をかけられた。
すぐに振り返る。
そこには、
「ロイか」
同じクラスのロイが立っていた。
コイツはなんで気配を消してんだよ。
ビックリするからやめてもらえませんかね。
セイヤはため息つきロイを見つめた。
「ロイはなんでここに? と言うか兄貴ってなんだよ」
少し睨みながら問いかける。
セイヤの睨みをどこ吹く風といったようにニコニコと答える。
「あんな勝負見せられたらそうも呼びたくなるっすよ!」
……前から分かってたけど、俺コイツ苦手だわ。
「それとここにいるのは防具を見に来たっからすよ」
まぁ、それは防具屋に来る理由は防具を見るためだろうな。
「兄貴はどうしてここに来たんですか?」
続々とくるマシンガントークにセイヤがイライラし始めたときにロイが問いかけた。
「ん? 俺は防具を買いに来たんだよ」
別に嘘をつく必要がなかったので正直に言う。
「そうだったんすか! それなら俺に任せてください!」
セイヤはロイの言葉に悩む素振りを見せる。
「俺ここの店主と顔馴染みなんでいろいろ役にたつと思うっすよ!」
まぁ自分一人で選ぶよりはいいか。
「分かった。お願いするよ」
「任せてください。最高の防具を選ぶっす!」
こうして俺とロイの防具選びが始まるのだった。
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