豚狩り終了
豚の死骸を引きずること30分、ようやく王都に着きました。
門番にすごく不審そうに袋を見られていたけど普通に王都に入ることができた。
王都に入ってからも、道行く人に不審がられる。
そんな視線に耐えてようやくギルドに着いた。
ギルドに入ると、やはり大勢の冒険者がいた。
俺はそれを気にすることなくハクさんのカウンターへ歩いていく。もちろん袋を引きずりながら。
カウンターに着くとハクさんが、
「あれ? まだ行ってなかったんですか?」
え?
行って来たんだけど、どうして?
「え? その制服のまま行ったんですか?」
そうだけど、
「何か問題あった?」
「大ありですよ! そんな装備のままオークと戦うなんてありえません」
あれ?
そうなの?
まぁでも俺ずっとこんな感じだけど。
「今は大丈夫でも今後どうなるか分かりませんよ」
確かに……。
よく今までほとんど無傷でやってこれたな俺。
「いいですか、装備はちゃんと用意してくださいね」
分かりました。
「でもお金がないんだよなぁ」
「だったら私が貸しますから早く買ってきてください」
いや、それはさすがに悪いよ。
「いいから行ってきて! セイヤさんのことが心配だから私を安心させて」
ずい! っとお金の入った袋をこちらに渡してくる。
そんなこと言われちゃ断れないな。
「分かったよ。ありがたく借りさせてもらう」
「えぇ、早く行ってきてください。その間にその袋の中のオークを換金しておきますから」
あら?
気付いてたんだ。
「じゃあよろしく頼むよ」
「任せてください。後これは防具屋までの地図です」
……なんて手際がいいんだろう。
さすがハクさんと言っておこう。
「では、早く行ってきてください」
そうハクさんに押されてギルドをあとにするのだった。
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