休日の豚狩り!(1)
模擬戦をした日から数日が経過した。
今日は学園が休みだ。
日本で言うところの日曜日にあたるような日だ。何でも賢者っていう人がキリストと同じように休む日を定めたんだってさ。
まったく……どこの世界でも偉人はよくやってるよな。
さて、そんな休日の過ごし方だが、日本の時は家で引きこもってはゲームにアニメにラノベで楽しんでいたが今は違う。というより無いもので楽しめる訳がない。
結果的に言えば暇です。
なので、
「ギルドで依頼を受ける事にしました」
誰かにとはいわないがあえて声を出して言ってみた。
ギルドの前で言ったせいか、歩いている人達に変な目で見られている気がするが気にしない。というより慣れている。まぁその辺は置いといて。
俺はギルドへ入っていった。
今日のギルドも賑やかだな。
今日は午前に来たのにいつもこんなんなのか?
悩みながらも真っ直ぐカウンターへと近付いていく。
ハクさんが俺に気付いたのか笑顔になってくれた。
そして、カウンターに着く。
「久しぶりハクさん」
ほんの数日しか経っていないのに随分会っていないような気がした。
まぁ、ここ数日バタバタしてたんだから仕方がないだろ。
「お久しぶりですセイヤさん。ずっとお待ちしていました」
本当に喜んでいるような笑顔で言ってくる。
「まぁ、学園に通っているから仕方ないよ」
「そう…ですよね。ごめんない寂しかったからつい」
「……」
か、可愛い!
女の子が俺に寂しかった言ってくれる日がくるとは!
……は! いかん。これもハクさんには筒抜けだったんだ。
どうりでハクさんの顔が少し赤くなっている筈だ。
まぁ、それは置いといて。
「休みの日は出来るだけここに来るよ。俺もハクさんに会いたいからさ」
「……あ、ありがとうございます」
ハクさんが真っ赤な顔でお礼を言ってくれた。
何故赤くなっているんだ?
まぁいいか。
ハクさんは、コホンと1つ咳をしてから真面目な表情に戻していた。
「それで今日はどうしてギルドに来たの? 私に会いに来てくれただけじゃないんでしょ」
あ、やっぱり分かっちゃいましたか。
暇なんでなにか依頼がしたいんだけど、
「いいのあるかな?」
主に討伐系の依頼がいいんだけど。
「う~ん、セイヤさんのランクで討伐系ならやっぱりゴブリンじゃない?」
う~ん……またゴブリンかぁ。
「なにか嫌なの?」
「嫌って言うかさすがに何回もやると読者さんが飽きそうなんだよね」
実際に今まで会ったモンスターって二~三種類ぐらいしかいないと思うし、ちょっとゴブリン出しすぎかなって思ってさ。
「? 何言ってるか分からないけど、ゴブリンは嫌なのね」
「まぁ結果的に言えばそうかな」
何か他のあります?
「セイヤさんのランクだとゴブリン以外は討伐系はないわよ」
マジですか。
はぁ、どうしよう。今回もゴブリンか?
いやでもさすがにやりすぎだろ。
「はぁ……しょうがないなぁ。ゴブリンが生息している森の奥の方にはオークがいるんだって」
オークが?
どうして今それを?
「後依頼じゃなくてもモンスターの買い取りはやってるから。それにランクが低くても自分よりランクの高いモンスターと戦っちゃいけないなんてルールはないから」
「……」
そう言うことね。
まったく今回もハクさんに助けてもらっちゃったよ。
「ありがとうハクさん。今日は依頼は受けないことにするよ」
そう言って席を立つ。
「そう。くれぐれも気をつけてね」
「分かってるよ。絶対に無理はしないよ」
自信タップリに言う。
「それならいいけどね」
ハクさんが信じていないような表情で見てくる。
「うぅ……まぁ、出来るだけ無理はしないよ」
「それでいいのよ」
今度はちゃんと笑ってくれた。
「じゃあ行ってくるよ」
「うん。行ってらっしゃい」
俺はハクさんに見送られながらギルドを出ていった。
さて、これから休日の豚狩りだ!
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