表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/91

模擬戦(3)

 生徒達の模擬戦は終了した。


「次は俺と編入生だ。編入生、ステージに上がれ」


「はい」


 俺は両手に木製の剣をぶら下げながらステージに上がった。

 先生も俺の後に続いてステージに上がった。

 先生は片手剣を使っている。


「あれ? アイツって剣を二本も使ってたっけ」


「いや、編入試験の時は真っ黒い片手剣しか使ってなかったぞ」


「だとしたら今回が初めてか?」


「まぁ、見てたら分かる」


「そうだな」


 生徒達がコソコソと何かを言っている。


 俺は特に気にすることなく、正面にいる先生を見ている。


「ホントに二刀流でいくのか?」


 先生にまで心配されたようだ。


 俺が二刀流をするとそこまで言われるのか。

 それとも二刀流が難しいから言っているのか。

 俺としては後者の方が嬉しいんだが。


「二刀流でいきますよ」


 ハッキリと答える。


「そうか……じゃあルールを説明するぞ。相手に参ったと言わせるか場外、ステージの外の地面に足をついたら負けだ。いいな?」


「大丈夫です」


 ルールが単純でいいな。

 さて、先生がどれだけ強いのか見ものだな。


「じゃあ始める。かかってこい」


 どうやら俺に先攻を譲ってくれるようだ。


 なめやがって。

 その余裕を剥がしてやるよ!


「そんじゃあお言葉に甘えて!」


 一気に先生へと走り寄る。


 普通の人を軽く超える速度で先生に近寄る。

 しかし、先生も目で追いかけてくる。


「ふっ!」


 剣を振る。


 カンッ!


 しかし、軽々と受け止められてしまう。


 やっぱり止められるか。

 ならこれでどうだ!


「…む」


 両手の剣を交互に物凄いスピードで振るう。


 カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!……


 いったい何回剣を振るっただろう。

 その全てを止められてしまう。


 やっぱり強い。

 今の俺じゃあまだ敵わないな。

 でも、諦める訳にはいかない。

 それに今、物凄く楽しいしな。


「そろそろ俺も攻めさせてもらうぞ」


「え?」


 その言葉を理解する前に俺は投げ飛ばされていた。

 先生が余った左手を使って俺を投げたようだ。


 このままでは場外になってしまう。

 というかもうステージの上を通過しているから場外だろう。

 …

 …

 …


「いや、まだだ!」


 空中で体勢を整える。

 そして左手に持った剣を地面に向け


「おりゃあ!」


 放り投げた。


 ここの地面は土で出来ているから剣が突き刺さる。


 俺はそこを目掛けて着地し、それと同時に先生の方へと飛んだ。

 先生へと一直線に飛んでいく。


「!?」


 これには流石の先生でも驚いているようだ。

 しかし、直ぐに落ち着きを戻し、剣を構えている。


 どんどん先生との距離が短くなっていく。

 しかし、普通の剣では先生には通用しないだろう。

 

 だから俺は敢えて先生の前の地面に剣を突き立てる。


「おら!」


 そして、その剣を中心にして蹴りを放った。


 先生のガードをしていなかった脇腹を思いっきり蹴って、先生を吹き飛ばした。

 先生は場外へと吹っ飛んでいった。


 これで俺の勝ちだ。

 生徒達もみな口を半開きにしポカンとしている。

 少しズルっぽかった気もするが勝利は勝利だ。


 俺は小さくガッツポーズをするのだった。

評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ