模擬戦(2)
模擬戦が始まる。
みんな各々にあった武器を持っている。
全て木製で、学園がこういう体育の時に貸している武器だ。
ちなみに俺は片手剣を2本持っている。要するに二刀流だな。
「では……始め!」
お、始まったようだな。
女の子同士の戦いだ。、
一人が普通の片手剣を持ち、もう一人がレイピアを持っている。
片手剣の子は、こう言ったら何だが普通だ。
しかし、レイピアの子は、身長も高く、キリリとした顔をしている。カッコいい人だ。ああいう人は女子からの人気もあるんだよな。
「キャー素敵ー!」
いろいろと考えていると勝負が着いたようだ。
結果はレイピアの子が圧勝という形だった。
しかもまだ全く本気を出している様子ではなかった。
いったい何者なんだ……。
じっとレイピアの子を見る。
「レイの事が気になるんすか?」
「!? ……誰だお前」
急に後ろから話しかけられた。
そこには、金髪の男がいた。
全く気配を感じなかった。
「あ、俺ロイっていいます。よろしくっす!」
「あぁ……よろしく」
ロイという男。
ロイは身長は俺と同じ170くらいで、少しチャラい感じがする。
手には二本のダガーが握られている。
ロイといいレイピアの子といい、この学園は面白い奴が多そうだな。
「それで何かようかな?」
「いえ、レイの事を見てたんで気になるのかって思ったんすよ」
「レイ?」
「さっきレイピアを使って戦っていた女子っすよ」
あぁ、さっきのレイピアの子がレイだったのね。
しかし、俺がレイを見ている事に気づいている奴がいたとは。
「あぁ、あの子か」
「何で見てたんすか?」
ロイがニヤニヤしながら聞いてくる。
コイツ勘違いしてるな。
俺がレイに惚れてるとでも思っているのか。
「あの子が全然本気を出していなかったから気になったんだよ」
「へぇ……そうだったんすか」
ん?
ロイの目が一瞬細められたような気がしたんだが、気のせいか。
「まぁ、レイは強いっすからね。本気じゃないのも頷けるっす!」
やっぱり強いんだな。
「あ、俺の番が回ってきたんで行ってきますね」
そう言ってロイはステージへと上がっていった。
さて、ロイがどれほど強いのかお手並み拝見といきますか。
結果的に言えばロイは勝った。
しかし、ギリギリ勝ったという感じだった。
アイツは全く本気を出していなかった。
やはり手の内はなかなか見せてくれるものではないか。
はは、面白くなってきたな。
やっぱりこうでなくっちゃ異世界は面白くない!
さて、次はいよいよ俺の番か。
楽しませてくれよ先生。
評価よろしくお願いします!




