居眠りの後の
「編入初日に居眠りとはいい度胸してんじゃない」
そこには黄色い髪をした女子が立っていた。
あれ?
何でこの子笑顔だけど目が笑ってないんだ?
それに、後ろに回している手に木の枝が握られているんだが。
何か怖いんですけど。
「あの……すみません」
とりあえず謝ってみる。
この人誰だろう。
「それで、あなたが居眠りした理由を聞かせてもらえるかしら」
有無を言わせぬ瞳で見つめられる。
「え~と、俺って田舎の生まれで文字が読めないんですよ」
とりあえず嘘を交えて言ってみる。
「あ、そうなんだ。でもそれじゃあこれから先の授業も全然分からないわよね」
あれ?
思った以上に優しい人なのかな。
「あ、それは大丈夫だよ。ニー……学園長に翻訳眼鏡っていう文字を読めるようになる精霊具をもらったから」
まぁ、それを忘れたから居眠りしたんだけどな。
「あーそうなんだ。なら大丈夫そうね」
まぁ、言い訳くさいが納得してくれたようだ。
「さっきは叩いてごめんなさい。私はサリカって言うの、このクラスの代表をしているわ」
サリカさんね。
クラスの代表ってことは委員長みたいなものかな。
なら、俺を起こしにきたのも頷ける。
「え~と編入生のセイヤです。よろしくお願いします」
「むぅ、クラスメートなんだから敬語は使わないでよ」
ほっぺをふくらませながら言ってくる。
へぇ、こういうところもあるんだ。
なんか可愛いな。
「分かったよ。これからよろしく」
俺がサリカさんにとを向ける。
握手だ。
「うん! よろしくねセイヤ」
サリカさんが笑顔で握手してくれた。
しかもいきなり呼び捨てとは……いい友達が出来たな。
そのままこの日は過ぎ去っていった。
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