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編入!

 編入試験が終わった後、俺はEクラスに来ていた。


「え~と、セイヤ・カゲノです。これからよろしくお願いします」


 みんなの前に立ち、無難な挨拶をすませる。


 Eクラスの生徒達が俺を興味深そうに見ている。


「なんだカゲノ、もっとパッとした挨拶はないのか?」


「はぁ、すいません」


 今俺に言ってきたのはEクラス担任のライラ先生だ。

 どこぞのドラマで見たことがあるような、赤ジャージ、赤髪で胸のデカイ先生だ。ヤンクミって呼ぼうか?


「まぁいい。んじゃあお前らは何か質問あるか?」

 

 先生がEクラスの生徒を見渡しながら問いかける。


「あの…じゃあ私が」


 眼鏡をかけた大人しめの女の子が手をあげる。


「ん、ミナか。なんだ言ってみろ」


 ほほぉ、あの女の子はミナって言うのか。

 うん、いい名前だ。


「あなたが学園長からの推薦でこの学校に来たって本当ですか?」


 推薦?

 スカウトされたことかな?


「推薦かどうかは分からないけど、ニー……学園長にこの学校に誘われわしたよ」


 危うくみんなの前でニーナって呼ぶところだった。

 気を付けないとな。


 クラスのみんなが騒ぎ出す。


「やっぱり本当だったんだ」


「そりゃあそうだろ。さっきの試合見ただろ。学園長に誘われるのも頷けるってもんだ」


「そうだよね。さっきの試合スゴかったもんね。私ほとんど目で追い付けなかったよ」


「俺も俺も! 何したか分からないまま勝手に終わってたもんなぁ」


 俺の話題で喋られると何だか恥ずかしいな。


「こらこら、静かにしろ」


 先生の言葉で静かになる。


「まったく……これで質問は終了な。まだ聞きたかったら休み時間に聞け」


 めんどくさそうに先生が言う。


「んじゃあカゲノ、お前の席あの一番端のところな」


 先生が指差したのは窓際の一番後ろの席だった。


 この先生ホントに適当だな。

 見た目にあってないだろ。


「分かりました」


 自分の席へ足を運ぶ。

 みんなの視線を集めながら。


「んじゃあカゲノも席に着いたんで、今日の連絡するぞ」


 それから滞りなく連絡を終えるのだった。


「じゃあ今日も1日頑張れよお前ら。じゃあな!」


 先生は何処かへと走って行った。


 あの先生大丈夫かな?


 自分のクラスの先生を心配するセイヤだった。

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