表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/91

編入試験(2)

 編入試験のゴングが鳴り響く。


 とりあえず逃げさせてもら、


「ガア"ア"ア"ァー」


 ワイバーンが猛スピードで突っ込んでくる。


 ヤバい!

 体が反応できない。

 まだ、もらった体だから目は追いつくけど、あの巨体でこの速さは反則だろう。


 しかし、一撃でノックアウトは嫌だ。恥ずかしい。だからなんとかしよう。

 でも、あのスピードでは体は動かない。

 という事は能力に頼らざるおえない。


 しかし、あのスピードで突っ込まれればシールドもただの紙切れだろう。

 他の技でもアイツを止めることは出来ない。

 だったら止める必要はない!


 (『影押し《プッシュ》』! 俺を上げろー!)


 俺の足元にあった影が俺を押し上げるように勢いよく現れた。

 俺はその反動で空高く宙に浮いた。


 踏み台として現れた影はワイバーンが突っ込んでいき、呆気なく消えていった。


 とりあえずは避けることができた。

 ……はぁ、一撃でこんなに神経使うとかしんどすぎるだろ。


『む、これを避けるとはさすがじゃな』


 ニーナが何か言っている。

 しかし、セイヤの耳には入らない。


 上に逃げたのは失敗だったか。

 次の攻撃を避けられるかどうか……。


 ……よし、こうなったら攻撃してみるか。

 あの固そうな鱗を貫いてダメージを与えることが果たして出来るのやら。

 まぁ、やってみる価値はあるだろう。どうせ死なないんだ、死ぬ気でやってやるよ。


「『影足場スキャフォールド』 もっと速く!」


 空中で足場を出し、下に向かってジャンプする。

 この時にワイバーンの真上へくるように調整する。

 ダークブリンガーは既に抜いてある。


 落下速度と下へのジャンプ、そして狙いは鱗と鱗の隙間。

 さっきのワイバーンと同じくらいの速さとなる。

 

 俺は弾丸のような速さでワイバーンに接近する。


「うらぁ!」


 勢いよく鱗と鱗の隙間へと剣を突き刺した。


「ギャアァァァァ!!」


 ワイバーンが暴れだす。

 振り落とされないようにするだけで精一杯だった。


『そこまでじゃ! 勝者は編入生じゃ!』


 誰もが口を半開きにし、驚いて声も出せていなかった。


『うむ、さすが我の選んだ奴じゃ』


 ニーナが自慢げに言っている。


「そんな事より早くこいつを止めろよ!」


 俺の声を聞いてか、何人かの人でワイバーンを連れていってくれた。


 はぁ、死ぬかと思った。

 たった10秒にも満たない戦いが俺には何時間にも感じられたよ。


『それでは改めて……勝者セイヤよ、我が学園へようこそなのじゃ!』


 観客達も拍手してくれている。


 恥ずかしいが、ここから始まるんだ。俺の学園生活が。

評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ