新たな制服よ!
ギルドから帰った俺はいろいろと学園を巡って時間をつぶした。
そして翌日。
「ふぅ~」
今朝は自分で起きることが出来た。
「今日から俺の新しい学園生活が始まる」
いい響きだ。
いかにもラノベっていう感じかしてとてもいい。
そんなどうでも良いことを考えていると「コンコン」とノックがなった。
ガチャ
俺が返事をする前に入ってきた。
「起きてたんですか」
予想通りエレナさんだったよ。
「まぁ、いいでしょう。それより起きていたんなら速やかにこれに着替えてください」
俺が黙っているとエレナさんが服を手渡してきた。
これは、
「この学園の制服です」
制服……。
「ありがとうございます!」
いや~ホントに着るものに困ってたから助かったよ。
小説では書かれていなかったけど、俺ずっとボロボロの制服着てたからね。
小説48話目にしてようやく新しい服を手に入れるとか時間かけすぎだろ作者。
まぁ、いいや。これでボロボロとはお別れだ。
「早速着させてもらいますね」
そう言ったのにエレナさんは一向に部屋を出ていこうとはしない。
「あの、見られてると着替えられないんですけど……」
「お構い無く」
そう言ってエレナさんがこっちを見つめ始めた。
「……」
こえーよ!
何でエレナさんに俺の着替えシーンを見せなきゃいけないんだよ!
普通は逆だろ! ……いや、逆なら尚更ダメじゃん。
はぁ、仕方ない。
ここは、
「え~と、『ブラックカーテン』」
能力を使い、即席の更衣室を用意した。
思いつきでやったけど上手くいくもんだな。
エレナさんも驚いたような顔をしていたな。
俺は急いで着替えた。
「オープン」
更衣室を解除してエレナさんの前に姿を見せる。
あ、ちなみに制服は、青いジャケットと黒いズボン、ネクタイがある。後は皆さんの想像にお任せします。
「どうです?」
お茶らけたふうに聞いてみた。
「前のが酷すぎたのでまともに見えますね」
何でそんな言い方するの?
確かに前のは酷かったけど、まともに見えるって何? 俺がいつもまともじゃないような言い方しないでもいいじゃん!
……やっぱりこの人は毒舌だな。
「着替えたのなら早く学園長室に行きますよ」
エレナさんが早足で部屋を出ていく。
「あ、ちょっと待ってくださいよ!」
俺も急いで後を追う。
その背中はもうボロボロではなかった。(制服が)
評価よろしくお願いします!




