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初依頼!(1)

 ギルドに着く。


 中に入ると、昨日と同じように騒がしかった。


 とりあえずハクさんのカウンターへと近付いていく。

 いろいろな声が聞こえてくる。


「おい、あいつって」


「あぁ、鉄壁のハクさんを笑顔にさせたやつだ」


「ま、マジでか? あのハクさんが笑ったのか?」


 いたる所で昨日の事を話されているようだ。


 周りがチラチラとこっちを見てくる。


 正直鬱陶しい。

 人に注目されるのはいいけど、こういう注目はイヤだ。


 そんなことを考えている内にハクさんのカウンターにたどり着いた。


「おはようハクさん」


 さっきまでの恥ずかしさやイヤな気持ちを胸にしまいこみ、笑顔でハクさんに挨拶をした。


「おはようございます」


 ハクさんも笑顔で返してくれた。


 ハクさんの笑顔に後ろの冒険者達が「おぉ!」と驚いている。


 俺とハクさんはそれを無視して話をする。


「さっそく今日会いに来てくれたんだ」


 ハクさんが嬉しそうに言ってきた。


「それもあるけど、今日は依頼を受けようと思ってさ」


 どうせ隠しても意味がないので正直に言う。


「そっか。ちょっと残念だけど依頼頑張ってね」


 少し残念そうな顔をしたが、応援してくれた。


「ありがとう。それで、なにかオススメの依頼はある?」


「う~ん、まだセイヤさんはFランクなので依頼のほとんどが雑用だから……」


 そう言ってハクさんが考えだした。


 あ、俺ってFランクだったんだ。

 

 よくラノベとかであるギルドでも同じようなものがあったな。

 いつそんなものが作られたかっていうと、多分身分証が冒険者カード扱いなのだろう。


 しかし、困ったな。

 Fランクだと雑用しかないのか。

 俺はどちらかというと戦う方が得意何だが。


「戦う……それならゴブリン退治に行ってきたら? このモンスターならFランクでも受けられるから」


 なるほどゴブリン退治か……。

 よし、それにするか。


「じゃあその依頼を受けるよ」


「分かった。じゃあ受注しておくね。期限は1週間以内、報酬はゴブリンの耳1つにつき銅貨1枚。大丈夫?」


 銅貨……。

 そう言えばこっちでのお金がどんなものか知らなかったな。

 まぁ、依頼から帰ってきたときにでも聞くか。


「あぁ、問題ないよ。ありがとう、じゃあ行ってくるよ」


「行ってらっしゃい」


 笑顔で言ってくれる。


 俺はその言葉を聞き、意気揚々とギルドを出ていくのだった。

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