白い髪の少女
周りの人に怖がられながら受付に到着した。
受付には可愛らしい女の子が座っていた。
耳が尖っているようだし、この子もエルフなのかな?
だとしたら見た目と年齢は合わないのだろう。
そんなことを考えていると、エレナさんが、
「では、私は制服やら家具やらを買って来ますので、ハクさんはこの人のカードを作ってあげてください」
「え、エレナさん行っちゃうんですか?」
エレナさんは、頭を下げ、足はやにギルドから出ていった。
え? 何であんなに慌ててんの?
そんなにここにいたくなかったのかな?
……まぁ、いいか。
それより早く身分証作ってもらおう。
「すいません、え~とハクさんでしたか。身分証を作ってくれると聞いたのですが」
少女は無表情でこっちを見てくる。
あれ?
俺なんか間違ったこと言ったかな?
名前の通り、髪も瞳も白色だ。
髪は腰まであるんじゃないかと言うほどに長い。
無表情でもかわいいと言うことはハッキリ分かる
「あの、ハクさん?」
「はい、何でしょうか」
あれ?
俺の話聞いてなかったの?
意外とおっちょこちょいなんだな。そういうところもかわいいな。
「あの…身分証を作ってくれると」
「…そうでした。すみません。では、こちらの紙に記入していただけますか」
ハクさんから紙とペンを手渡される。
紙の内容を見る。
え~と、なになに……読めない。
そう言えばこっちで使う文字を知らなかったー。
「……すいません、読めないです」
スゴく恥ずかしい。
「では、私が代筆しますので答えてください」
こんなに小さな子に代筆をやらせるとか……俺はもう、ダメかもしれない。
元気なく頷く。
「それではあなたの名前と年齢、種族を教えてください」
「え~と、名前はセイヤ・カゲノで、年は16才です。種族は……人間です」
種族のところは自信がないですけどね。
ハクさんが言った内容をすらすらと書いていく。
「次に、能力の序列を教えてください」
え?
能力の序列? なにそれ?
能力に序列なんてあるの?
「すいません、能力の序列とは何ですか?」
「知らないんですか」
ハクさんが驚いたような顔をした。
「はい、知りません」
能力の序列って誰でも知っているものなのか?
「……能力の序列と言うものは、精霊達についた順位のことです。順位は能力の強さで分けられています。精霊は精霊で、妖精は妖精で順位が別々になっています。分かりましたか?」
なるほど、要するにあなたの能力は何位ですか? ってことなのね。
でも、どうやってそんなことを知るんだ?
「大体は分かりましたけど、その序列はどうやって知るんですか?」
「……大体の人は生まれてすぐにある道具を使って調べます」
へぇ、そうなんだ。じゃあ知らないわけだ。
でも、道具ってなんだろ?
前に見た嘘発見器みたいなものかな?
「そうなんですか。すいません俺はやってないようです」
「では、今調べましょうか」
お、マジで!
ラッキー。俺の能力がどれくらい強いのか知りたかったんだよな。
「お願いします!」
「分かりました」
そういってハクさんは、カウンターの裏へと入っていった。
長いので一区切りです!




