王都へ到着!
ペリカンを倒した後にメイドさんの所へ戻ると、やっぱり毒をはいてきた。
なんかもう慣れてきた自分がいる……。
そしてすぐに王都へ出発しだした。
そして1日が経過した。
「後どれくらいで着きます?」
毒舌に慣れてきたからといって、辛くない訳じゃない。
だから後どれくらい耐えればいいかを聞きたい。
「そうですね……大体あと1時間といったところです。……はぁ、あと1時間もこの人と一緒だなんて……」
「……ありがとうございます」
もうそこまで来てるんだ。というか、
後半の部分も聞こえてますよ。
やっぱり全然遠慮しないよねこの人。
こんなんでメイドなんて出来るのかよ。……あのロリッ子の所なら出来そうだな。うん、納得。
それにしても、何でこの人はメイドなんてやっているんだろ。この人の性格からしたら誰かに尽くすなんて出来ないと思うんだけど。
「エレナさんは何でメイドをやっているんですか?」
気になった質問を投げかけてみた。
「何ですか藪から棒に」
エレナさんは、嫌そうな表情で聞いてきた。
「いや、ちょっとした興味本意ですよ」
出来の悪い愛想笑いを浮かべながら答える。
「ふ~ん。まぁ、良いでしょう」
どうやら言ってくれるようだ。
「私は孤児だったんですよ。親の顔も見たことがありません。一人だった私をニーナ様が拾ってくれたんですよ。……それからこの人のために尽くしていこうと決めたんです」
「……」
思った以上に重い話だったな。
でも、毒舌メイドさんにそんな過去があったなんて……人は見た目や言動によらないな。
「そうだったんですか。話してくれてありがとうございます」
少し空気が重くなった気がする。
聞かなきゃ良かったよ……。
少し沈黙が続く。
しかし、エレナさんが明るく話始めた。
「さぁ! こんな暗い話はやめましょう!」
結果的には暗くなったけどいい話だった。
「……そうですね」
またも不自然な笑いがこぼれた。
「もう少しで見えてくると思いますよ」
「え? 何がですか?」
エレナさんが指を指す。
俺は指された方に目を向ける。
すると、
「この国の中心、王都ロードラです」
目の前に広がる大きな壁。
王都全体を囲っているような大きな壁だ。
「ここが王都か」
俺がこれから住む所か……。
「楽しみだ」
自然と笑みがこぼれた。
さっきとは違って心からの笑いだ。
これから俺の新しい生活が始まるんだ!
こうして王都に無事に着くことが出来た。
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