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毒舌メイドとの旅

 毒舌なメイドさんとの旅が始まって2日が経ちました。


 毒舌メイドさんはすごい。

 御者ができるは、料理はうまいわ。何より強い。

 何回かモンスターと出くわしたが全て舜殺している。


 あれはホントにメイドなのかと何回思ったことか……。

 それに、会話をすれば絶対に毒をはく。

 だからもう精神的にしんどいです。ストレス発散がしたいです…。


 そんなことも全く知らないメイドさんは、のんきに馬車を引いてます。


「ふんふんふ~ん♪」


 鼻歌なんかやっちゃって……。

 ここから見たらホント、美人なのに残念だな。


 ヒヒーンッ!


「どわっ!」


 馬車が急に止まった。


「いたた」


 止まった衝撃でぶつけた頭を擦りながら、メイドさんを探す。


「いた」


 幸いメイドさんは直ぐに見付けることが出来た。


 メイドさんに近寄る。


「何があったんですか?」


 とりあえず事情を聞いてみよう。


「モンスターが出たんですよ。そんなことも気付かなかったんですか?」


 う! やっぱり刺が、というか毒が強い。


「で、でも、いつもはエレナさんが舜殺してるじゃないですか」


「ええ、そうですね。女の私にばかり戦わせていますもんね。……まぁ、それは置いておいて、実は飛行系のモンスターなので、さすがに舜殺は無理なので馬車を止めたというわけです」


 馬車を止めた理由はよくわかったけど……このメイドは会話するたびに毒をはかないといけないのか?


「……そうなんですか。あの、そのモンスターと戦わせてもらえませんか?」


 いい加減ストレスの発散をしたいと思ってたんだ。ちょうどいい。


「あなたがですか? …まぁ、雑魚モンスターにちょうどいいですし、かまいませんよ」


「ありがとうございます」


 この人、毒しかはかないよね!


 まぁ、いいや。

 丁度試したい事もあったし。


「じゃあ行ってきます」


「ええ、私の時間を無駄にしないように」


 ……もう、気にせずいこう。


 馬車から出て空を見上げる。

 そこには、


「ペリカン?」


 ペリカンと瓜二つ、というか、色が黒いだけのペリカンがいた。

 まぁ、ペリカンでもペリカンじゃなくてもどっちでもいいや。


 ペリカンは10m付近で止まっているようだ。


「あれに届くかな?」


 いくら俺のジャンプ力があってもあれには届かないだろう。普通は。

 しかし、俺の試す技がうまくいけば、ぎりぎり届くかもしれない。やってみる価値はあるだろう。


「うらっ!」


 とりあえず、まずは本気ジャンプ!

 ジャンプで3m近くへいく。

 だが、これじゃあ届かない。だがら


影足場スキャフォールド


 影空中で固定され、足場となる。

 

 そこでもう一度ジャンプする。

 今度も3mくらいとぶ。

 これで後3·4mくらいだ。


 しかし、これ以上距離をつめる方法がない。


「しょうがない!」


 腰にあった剣を抜き取り、ペリカンへと剣先を向ける。


「これでもくらえ!」


 勢いよく持っていた剣をペリカンに投げつけた。


「グキャ!」


 剣はペリカンへ吸い込まれていくように命中した。

 ペリカンは額に剣を生やしたまま地上に落ちていった。

 ついでに俺も落ちる。無事に着地出来た。


「やっぱりジャンプだけじゃ届かなかったかー」


 ペリカンに刺さった剣と、ペリカンの影を回収しながら呟く。


「まぁ、ストレス発散にはなったし、別にいいか」


 そう言ってメイドさんの所に戻るのだった。

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