男の約束
新しいスキルが出てから毎日森へ行っていた。
そしてついに! ロリっ子からの迎えが今日来ます!!
イエェーイ! やっと退屈な森ともおさらばだぜ!
それに、何故か知らないが、あれ以来モンスターを倒して影を吸収してもレベルどころか%すら上がらない。
全くもって謎だ。
まぁ、それと引き換えとは言わないが、ある程度影離も使いこなせるようになった。
そんな事を考えていると部屋の扉が開いた。
村長の家の部屋を借りていたんだが、いったい誰が来たんだ?
「セイヤ、迎えが来たぞ」
おっさんだった。
「あぁ、おっさんサンキュ」
「いや、礼を言いたいのは我々の方だ。セイヤのお陰で村が守られた。ありがとう」
「……」
おっさんが頭を下げて礼を言っている。
おっさんが俺に礼を言うとはな。
始めに比べたら驚くべき変化だな。
頬が自然と緩むのが分かる。
やっぱり人に感謝されるのは嬉しいものだな。
「いいんだよ。俺は俺のやりたいようにやったんだからさ」
「いや、しかし、それではこちらが納得できない」
はは、やっぱりおっさんは頭が堅いんだから。
まぁ、それがいいところだよな。
「じゃあさ、次に俺がこの村に来るまでにここをもっといいところに変えといてくれ。俺が住みたいと思えるような所にな♪」
「……あぁ、任せておけ! お前が帰って来るまでにこの村を街にでも変えてやるさ!」
村を街にか。
「おぉ、楽しみにしてるぜ」
俺とおっさんは二人して笑っていた。
「はは、じゃあ俺はそろそろ行くわ」
「あぁ、行ってこい。精一杯楽しんでこい」
言われなくとも楽しんでくるよ。
俺は部屋から出ていった。
残ったのはおっさん一人。
「アイツは大物になる。それに見あった街を作らないとな」
おっさんの声にはやる気が満ち溢れていた。
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