集団影採取
俺が学園行きを決めてから1日が経った。
村ではまだモンスターの死骸を一ヵ所に集めて処理をしようとしているところだ。
死骸の山を見ると100ぐらいはいたんじゃないかと思う。ちなみに魔族の死体は入っていない。あれは王都へ持って行かないと行けないらしいからな。
死骸を集め終わったところで声をかける。
「村長さん。ちょっとやりたいことがあるからモンスターを焼くのは待ってくれないか?」
このモンスターでやることがあるからな。
「ふむ。まぁ、お主が一番の功労者じゃ。別にいいじゃろう。ただし、わしも見ていてよいか?」
どうやら良いみたいだな。
あれを見られるくらいはどうってことないからいいか。
「あぁ、別にいいぞ」
「では、好きにやってくれて構わんぞ」
モンスターを運んできた村人たちが少し距離をとってくる。
あんまりというか、全く害はないと思うんだけどな。
「じゃあやらせてもらうよ」
死骸の山に近付いていく。
いや、死骸の山で出来た影へ近付いていく。
死骸の影と俺の影が重なる。
死骸の影が俺の影に吸いとられていく。
「……影が」
「……なくなっていってる」
村人が呟く。
やっぱり不思議だよな。
生き物が産まれた時から付いてる影がなくなっているんだ。明らかに可笑しな現象だろう。
そんな中、村長が気になることを呟いた。
「ほぉ、これがお主の能力向上の儀式か」
能力向上の儀式……。
能力のレベルアップの条件をこっちではそう行っているのか。
しかし、俺以外にもやっぱりこういうことをやっている奴がいるんだな。
そう思っていると、全ての影を吸い終わった。
『ステータス』
セイヤ・カゲノ 16才 異世界転生者
武器:ダークブリンガー
防具:ボロボロの制服
魔法:使用不可
能力:【影】Lv.3
能力スキル:【影伸縮】
【影離】
案の定レベルアップしてたみたいだな。
しかし、100体も注ぎ込んだのに1しか上がってないのか。
俺が知っている以外にも何か条件があるのかもな。まぁ、それもおいおい考えていけばいい。
それより新しいスキルの効果はっと
影離
影を体から離しても操れる。
離せる距離は10cm。
離せる距離はレベルアップによって上昇する。
おぉ! やっと離せるようになった!
レベルが上がれば銃みたいに弾を射つことも出来るかもな。
くぅ~、夢が広がるぜ!
そうだ! 早速このスキルを使いこなせるように練習しなくては!
ということで、
「村長さん、助かったよ。それじゃあ俺はちょっとモンスターでも狩ってくるからもう燃やしていいぞ」
「は、はぁ、行ってきなされ」
俺が興奮している事が分かったのかな?
まぁ、いいや!
それより新しいスキルだ!
セイヤは森へと走って行くのだった。
評価よろしくお願いします!




