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魔族との戦い(7)

「これで大体片付いたか」


 ハイテンションで人を助けてから次々とモンスターを倒していき、半周を終えた頃にはモンスターも全滅していた。


「これで終わりじゃない。まだ魔族がいる」


 半周している時には遭遇することはできなかった。

 いったい何処にいるのやら。


「とりあえず一度おっさんの所に戻るか」


 することがなくなったのでおっさんに長髪の男を倒した事を伝えに行くとする。


 おっさんは何処にいるか。


「どうせ門の所だろ」


 門へ向かって走り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 走りだしてから数分で門が見えてきた。


 門の周りもモンスターはいないようだ。

 モンスターの代わりにおっさんが門の前で何時ものぶっきらぼうな顔を見せている。


「おーい、おっさん」


 おっさんがこっちに気付いたようだ。

 おっさんの側まで駆け寄る。


「モンスターは全員倒したんだ」


「あぁ。それより魔族は殺ったのか?」


 ぶっきらぼうな顔を見せながら聞いてくる。


「長髪の魔族は殺ったけど他の魔族には会っていない」


「……そうか。なら、まだ落ち着くわけにはいかないな」


 おっさんが少し残念そうに呟く。


「いったい魔族は何処にいるんだか」


「そうだな……」


 二人で悩む。

 沈黙が場を占める。


「くっくっく♪ ダイソンは死んだのか」


 背後から声が聞こえる。


 俺もおっさんも急いで振り返る。


「なっ!?」


「お前は!」


 赤いドラゴンに跨がって飛んでいる、ローブを着て痩せ干せた男が立っていた。


「くっく♪ 初めまして。私はヒッチと言います。どうぞよろしく」


 気色の悪い笑い声を出しながらこちらに一礼してくる。


「魔族……」


 魔族。

 あと二人残った内の一人。

 モンスター使いの魔族。


「まさかドラゴンまで使役しているとはな」


 魔族が跨がっているドラゴンを見て呟く。


「くっく♪ ドラゴンはドラゴンでも一番弱いワイバーンというドラゴンですがね」


 ワイバーンか……。ラノベとかでよく出てくるやつか。


「くっく♪ ダイソンが死にましたか。これは逃げた方が良いですかね」


 おどけた口調が余計に腹をたたせる。


「逃がすと思っているのか」


 絶対に逃がすわけにはいかない。


「おぉ怖い。でも、逃がさしてもらいますね♪」


 と、わざわざワイバーンから飛び降りて、森の方へと走り出した。


「あぁ♪ それは置き土産ですので存分に楽しんでください♪」


 ワイバーンが戦闘体勢に入る。


「くそっ!早く魔族を追いかけないといけないのに!」


 ワイバーンを警戒しつつ、ついもらしてしまう。


「セイヤ、行け。俺がコイツを止める」


 おっさんが俺の前に出てくる。


「でもおっさん!」


 一人でコイツは無理だ!


「良いから行け」


「……」


 ここは任せろ、と背中に書いている気がした。


「分かった。おっさんソイツは任せた!」


 おっさんの返事を聞かずに森へと走り出した。



「あぁ。行ってこい。お前なら魔族ごとき余裕だろう」


 森へ行くセイヤの背中に向かってそう呟くのだった。

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