魔族との戦い(6)
剣を目の前にし、少し黄昏る。
やっぱりこの世界で生きていくには殺しにも慣れないとな。慣れたくないけど。
「さて、黄昏てないで次のモンスターを狩りに行くか」
半周していた村の周りを再び歩くことにした。
数分するとゴブリン達が人と戦っているところが見えた。
俺は直ぐに走りだし助けにいく。
「大丈夫か!?」
戦っている人に向かい呼び掛ける。すると直ぐに返事がきた。
「くっ、俺一人じゃあ捌ききれない、手伝ってくれ!」
助太刀要請受理しましたー!
「任せてくれ!」
丁度この剣の切れ味を確かめたいと思ってたんだ。
腰にさしてあった剣を引き抜く。影とは違い、少しずっしりとした重みを感じる。
「じゃあいくぞ!」
とりあえず一番近くにいたゴブリンを標的にする。
「おりゃ!」
いつもハンマー振るるように真上から振り上げる。
瞬く間に剣はゴブリンの頭へと到達し、何の抵抗力もなく真っ二つに切り裂かれた。
「おぉ」
自然と声が出てしまう。それほどの感動だ。
やっと打撃系の武器意外の物が手にはいった。
「ヒャッハー!」
ハイテンションで次々とゴブリンを切り伏せていく。
最後の一匹を倒した頃には、助けた人が完全に引いていた。
その光景に少し落ち着きを取り戻す。
「怪我は無さそうですね。じゃあ俺は他のモンスターを倒しに行くので!」
早口話を切り上げ、早々にここから立ち去ろうとする。
助けた人もそれを止めようとしない。
こんなやり取りがあるなかで、セイヤは「今度から少し自粛しよう」と、心から思うのだった。
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