村長宅訪問(2)
ガチャン
村長が水晶を持って入ってきた。
「お待たせしました。おや? さっきよりも仲が良さそうですな」
村長が目を細めてこちらを見てくる。
何気に鋭いじいさんだな。
「一緒に戦うんだから仲良くするのは当然ですよ」
ね? と、おっさんに目配せする。
「あぁ。その通りだ」
おっさんの言葉に村長が目を開いて驚いている。
「これは驚いたな。ダンが会って間もない相手に心を許すとは」
ダンって誰?
「あぁ。こいつの考え方が気に入ったんだ」
おっさんの名前だったんだ!
しかも、気に入ったとか恥ずかしいだろ!
「ほぅ、ダンに気に入られるとは面白い小僧だな」
「それほどでも?」
よくわからないからとりあえず返しておく。
「何故疑問形なんだ。それよりこれはもういらんのかい?」
村長が手に持っている水晶を見せてくる。
それが嘘発見器ですか?
「いや、一応やってもらおう」
やっぱり嘘発見器ですね。
「ならこの水晶の上に手を置いてくれ」
水晶を机の上へ置き、手を置くように指示される。
言われるままに水晶に手をおく。
「これでいいのか?」
手を置きながら訪ねる。
「うむ。ではこれから質問していくから素直に答えてくれ」
「分かった」
嘘を言うつもりはないけど、もしもがあるかもと思うと怖いな。
「では、お主は魔族の仲間か?」
「仲間じゃない」
先ずは探りってところか?
「本当のようじゃな。あ、言っておくが嘘を言えば水晶が光るからな」
便利な機能だな。
「次に、お主は我らを裏切ったりせぬか?」
「もちろん。裏切る訳がない」
少し強く言ってしまったが、それほど思っていると思ってくれ。
「嘘は言っていないようじゃな。質問は以上じゃ」
もう終わり?
「いいのか?」
「あぁ。その二つが分かれば十分じゃよ。この村を頼みますぞ」
村長が頭を下げる。
「任せてくれ。俺が出来ることはするつもりだ」
「お願いします。今日はうちに泊まっていってくだされ」
ちょうどいい。
「お言葉に甘えます」
こうして村長宅に一泊させてもらうことになった。
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