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百怪  作者: アンミン
百怪・怪異、不可思議
78/300

78「文字」【挿絵あり】


都内に住む女性から聞いた話。

彼女は都心に近い企業に勤めており、その日は

取引先に資料を持っていく用事で外出していた。


無事資料を届け、いざ帰ろうかという時、

不意に雨が降り出した。

いわゆる夕立で、突然の事に驚いた彼女は近くに

公園を見つけ、その公衆トイレで雨宿りする事にした。


最近は公衆トイレも昔と比べれば比較的綺麗で、

問題は他に人がいないかという事だったが、

幸いその時は無人。

入り口前のスペースで、雨音を聞きながら

彼女は一息ついた。




「でも、その時暗いなって思ったんです」




雨が降っている以上、多少は暗くなるのが

当たり前である。

しかし、その暗さとは何か異なる。

電気や自然光を無視したような、そんな感じを

受けたという。




「そうしているうちに、壁とか床とかに何かが

 浮き出てきて」




それは、何とも形容し難かったという。

アルファベッドと、ナスカの地上絵を混ぜ合わせた

ような図形が次々と平面に浮き出てくる。




『ここにいちゃいけない!』




とっさにそう判断した彼女は、転がるように

トイレの外へと飛び出した。

すると、あれだけ降っていた雨は一滴も無く、

夕日がまぶしく目に入る。

振り返ると、一応公園の中ではあったが、そこは

茂みになっており、その中から飛び出てきたような

形になっていたという。




「後で思い返してみたら、入ったトイレって……

 本当にトイレかどうかもわかりませんけど、

 木造だったんですよ。

 今時、そんなの都内の公園にあるのかな」




後日確認したところ、その公園のトイレはよくある

コンクリート製だったそうだ。





挿絵(By みてみん)

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