79「肝試し」【挿絵あり】
・現代怪談話・伝聞
とある田舎の村役場の男性から聞いた話。
彼の故郷はその村ではなく、恋人がそこの
出身だったので、そこへ移り住んだのだという。
役場といえど地域密着型で、都会のように何でも
通り一遍というものではない。
何か祭りやイベントがあれば手伝いに行くし、
そうやっていくうちに村人たちと顔見知りに
なっていくのだという。
「そんなに大きな村でも無いですしね。
誰かが誰かの知り合いか親戚―――
って感じですから」
そして夏ともなるとお祭りや山歩き、川泳ぎ、
釣りなども参加するのだが、
「夏の定番といえば肝試しがありまして。
もう30年くらいやっている、そこそこ
歴史のあるイベントになってました」
それに彼が初参加した年……
お化けに扮して、地元出身の役場の
先輩と、持ち場でスタンバイする事になった。
「その時は二人一組で子供たちを決められた
道順に行かせる―――
というものだったんですけど。
昔は4・5人一組だったらしく、子供が
減ったなぁ、と先輩は言ってました」
とにかく子供たちを待っていると人影が見え、
彼は動こうとしたが、
「1人だけで来たんですよ、その子」
あぶれたのか、それとも途中ではぐれて
しまったのか……
どうしようかと思って先輩の顔を見ると、
「行くな、アレはいい」
そう面倒くさそうな顔をしたので、田舎特有の
人間関係か何かかな、と思い複雑な気分でその
子供を見送った。
しかし先輩は、その子供の姿が見えなくなると
フーッ、と大きくため息をつき、
「まさかお前と一緒の時に出るとはなあ。
お前が大人しくしてくれて良かった」
先輩曰く、あれはお祭りや何かのイベントの時に
よく紛れ込むそうで―――
『人ではない何か』、としか言えない
存在なのだという。
「確かに、その子の格好を考えてみると、
昔風の着物を着ていたんですよね。
肝試しに参加した子供たちは、みんな
洋服でしたから……」
そして思い返しても、顔がよくわからない。
男の子か女の子かも思い出せなかった。
その後、村役場でその事を直属の上司に
話したところ―――
『珍しい事じゃない』と返されたという。
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