86「強さ」【挿絵あり】
・求められるイメージについて
お寺で修行している知り合いの話。
お坊さん、と言うと物静かで厳格というイメージが
あるが―――
物語や昔話などでは、破戒僧とまではいかなくとも
規格外というか、破天荒なお坊さんが出てくる事が
よくある。
「あれは仏教的にどうなんでしょうか」
側にいた師に彼が問うと、
「何というか―――
救いを求められる『強さ』みたいなものの
イメージなんじゃねえかな」
基本的に仏教とは、生きようという事すら
執着としてとらえている。
しかし救いを求めて来る信者・大衆の大部分は
何かしら助けて欲しいから、であって……
そのためにも、『これだけの事が出来る』という
想像のようなものがあるのでは、と。
「実際、なあ―――
化け物や悪霊と戦うヒーローとかも、
『普通』のヒーローじゃない場合が
多いだろ?」
確かにそういった存在は、正義の味方や
RPGの勇者のように人々から称えられる
英雄ではなく……
正体を隠したり、あるいはアウトロー寄りな
『ダークヒーロー』である事が多い。
「普通の坊さんじゃ、悪霊とか化け物とか―――
あるいは怪物とかは倒せないわけでさ。
だから、『型破り』である必要があるんだろう」
それに、もし本当にそんな存在がいるとすれば、
命がけで戦う割には十分な謝礼も名誉も無く、
そして公的に実績が認められる事も無い。
だから多少『道から外れていても』、許容範囲
なのだろうと。
「師匠はどっちですかね」
彼が皮肉っぽく聞くと、
「見りゃわかんだろ」
生臭坊主はカラカラと笑ったという。
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