51「視界」【挿絵あり】
・見てはいけないものの対処について
お寺で修行している知り合いの話。
ホラー映画やゲームでよくある設定だが、
『直接見てはならない』
『見るだけでダメージを受ける』
という敵や存在がある。
実際にそういうモデルはあるのか、という話に
なった時、彼らの師匠が会話に入ってきた。
「平清盛の逸話であるな」
ある屋敷に清盛が泊まっていた時の話だが、
中庭に無数の骸骨のドクロが出現した。
やがてそのドクロは合体し、巨大な、それでいて
無数の目を持つドクロになった。
清盛は睨み返すと、彼の眼光を恐れたのか、
そのドクロは消えてしまったという。
「じゃあ、睨み返せばいいんですね?」
と彼が聞くと、
「勝てればな」
と師は答えた。
そもそも先のエピソードは、妖怪や物の怪といった
存在にすら勝てる、という清盛の超人性を証明した
物語であり―――
『それなりの人物』でなければ難しいという。
「対処方法は無いんですか?」
となおも彼が食い下がったところ、
「真正面から見るな」
そこにいた全員がきょとんとした表情になったが、
要は『視界の片隅で見ろ』という事らしい。
視界の中心に据えなくても、どこかしらで
見えるようにして、その上で―――
逃げるなり切り抜けるなりしろ、という事だった。
誰かが、
「そうなる前にダッシュで逃げたら」
と話すと、師は頭をかきながら、
「それで良けりゃ、最初から清盛が
そうしてるんじゃねーか?」
その答えに、そこにいた全員が『ああ』と
うなずいた。
( ・ω・)最後まで読んでくださり
ありがとうございます!
『百怪』は日曜日の午前1時更新です。
深夜のお供にどうぞ。





