18「手掛かり」【挿絵あり】
・対処方法について
お寺で修行している知り合いの話。
まだ仏道を修行し始めた頃の彼が、
お払いや浄化を見た事があるという。
もっとも小物に限られ、その中でもかなり力の
弱い物だった、とは師匠の弁。
「経を唱えて火にくべるだけだからな。
まとめて一気に浄化したい時には、
これが一番いい」
他にも、地に埋める・水に流す・沈めるなど、
方法は多種多様あるらしい。
※闇語り015「2乗」の生霊は別として。
「どうしても力が強い場合は“封印”になるが」
やはり力の強さで方法が違ってくるのか?
土→水→火→封印とか、ランクがあるのだろうか?
彼は師に質問してみた。
「あまり強さは関係無い。
要はどういう念か呪いかを知って、
それに合った対処をするだけだ」
「全部火で……というのはダメなんですか?」
「お前みたいな考えが実は一番危険なんだよ」
確かに火は全てを“消滅”させる。
しかしそれはあくまでも“事情”を
知ってからだという。
「物に憑いている場合、そこから動かないケースが
ほとんどなんだ。
だからまず“事情”を聞く。
願いがあるなら出来る範囲で。
もし浄化出来そうなら焼く」
しかし、浄化出来そうにない場合、
もし焼いてしまったらその“居所”を
失わせる事になってしまう。
「気味悪いから、すぐに焼いたり捨てたりする
気持ちはわからんでもないんだがな」
呪いや祟りの相談で、一番困るのが“捨てた”とか
“燃やした”とか言われる事だという。
「だってもう“本体”が無いんじゃ
どうしようも無いよ。
そういう場合は近くの人間に憑いちゃったり
するしさ……
まさか人間燃やしたり埋めたりするわけには
いかんからなぁ」
「あぁ、それで以前言ってたように、
“自分に移す”わけですか」
(17話「縁」参照)
すると師は首を左右に振り、
「そうそう上手くはいかん。
“あっ、ヤベ”って相手に隠れられたら終わり。
手を出してこない限り、こちらも手が出せん」
だから事情を聞くというのは、ても重要な事だという。
少なくとも物に憑いていれば預かってどうにでも
出来るし、封印もそれごとやれば労力は少ない。
「一番いいのは最初から関わらない事。
触らぬ神に何とやら、だ」
そう言って供え物のまんじゅうを投げてよこすと、
自分もそれを食べ始めた。





