表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
民明書房刊 役に立たないネコのコトワザ図鑑   作者: ロータスシード


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/25

ネコの道はネコ

民明書房刊『獣道の幾何学―不可能な通行を可能とする身体の真理―』より抜粋

挿絵(By みてみん)

描道即描びょうどうそくびょう

古来、兵法における進軍ルートの選定は勝敗を分かつ重要事項である。しかし、戦国時代の山岳忍者・**壁走 隙之介かべばしり・げきのすけが遺した極意書『隙間往来伝』には、常人の想像を絶する移動の理が記されている。それが、この「ネコの道はネコ(描道即描)」**である。


起源は「断崖の追走劇」

この格言の由来は、ある名もなき山城での攻防戦に遡る。 敵軍の猛犬(猟犬部隊)に追いつめられた隙之介の愛猫が、高さ数十メートルの断崖絶壁に突き出た、幅わずか数センチの「石の隙間」を駆け抜けた。追撃する犬は、その身体能力に過信し、「猫が行けるなら我も行ける」とばかりに同じ道へ突っ込んだ。 しかし、犬には「液体化」する鎖骨も、空中で姿勢を制御する「猫の反転反射ライト・レフレックス」も備わっていなかった。結果、犬は崖から転落し、猫だけが悠々と対岸へ消えたという。


兵法における「絶対領域」の識別

構造的独占ストラクチャル・モノポリー: ある道(手法、市場、技術)が、特定の性質を持つネコにしか通行を許さない状態。これを無視して「犬(強者、一般人)」が力任せに参入しようとすれば、必ず物理的・社会的な「転落」を招く。武術界ではこれを**「不可侵の小径スモール・パス」**と呼ぶ。


分不相応の戒め: 「成功者の真似をすれば成功する」という安易な模倣(犬の追随)を真っ向から否定する教えである。猫には猫の、虎には虎の、鬼には鬼の道があり、その性質が合致しない道を歩むことは、すなわち死を意味する。


現代の兵法としての解釈:ニッチ戦略と自己認識

現代ビジネスにおいて、GAFAのような巨大な「犬」が通れない、細く、険しく、それでいて豊かな「ネコの道(超ニッチ市場)」を見つけ出すことは、生存のための必須条件である。


「ネコの道」を歩む者は、自らの「重さ(鼎の軽重)」や「幅(組織の規模)」を正確に把握していなければならない。もし貴殿が「ネコ」としてその道を選んだのなら、背後の「犬」が転落する音をBGMに、優雅に毛づくろいをしながら進むべきである。


逆に、自分が「犬」であることを忘れて、誰かの「ネコ知恵」に惹かれて細い道へ迷い込んでいないか。常に自らの肉体の「幅」を問い直すことが、完全超悪な世界を生き抜く「猫知恵」の真髄なのである。


豆知識:ひげの幅と道幅 猫がその道を通れるか判断する基準は、その「ひげ」の幅である。武術家・隙之介は、自らの陣羽織に長い猫のひげを縫い付け、暗闇でも「自分が通れる隙間か」を瞬時に判断したという。これが、現代におけるセンサー技術による**「自動障害物検知」**の思想的ルーツである。


貴殿……その進もうとしている道、ひげに当たってはいないか? よーしよし……無理をしてはいけない。転落する犬を眺めるのは一興だが、自分がその犬になっては元も子もないのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ