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亡国の姫の傭兵譚  作者: 如月 燐夜
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〈神速〉のアッシュ

メンダー王国軍との交渉により、戦場へと歩を進めるスターリア傭兵団。


道中別動隊として活動していた者達も合流し、二ヶ月振りに全部隊が揃った。


「団長久しぶりぃ~!」


銀髪の優男風の男がアンナの前に現れる。

スターリア傭兵団最後の将、アッシュである。



ーーかつてホールゲン王国一帯の国を騒がせた伝説の暗殺請負人、〈神速〉と聞けば震え上がる者も多い。



「アッシュですか。久しいですね。」


「はいこれ、斥候隊の報告書。さっきテルノに会ったけど、随分張り切ってたねー。」


「えぇ、彼の宿願であり、生きる為の枷ですからね。この戦場に掛ける気持ちも一入(ひとしお)でしょう。」


「うへぇー…復讐とか怖い怖い…あまりテルノに近付かないようにしなくちゃ…」


全くそんな素振りも見せずに手を上げて言いのけるアッシュにアンナは苦笑した。


元山賊のテルノという人物は、何処かの貴族家出身だという噂を酒の席で聞いたことのあるアンナだが、彼の半生に何が有ったのかは知らない。


それを知るのは彼を勧誘したガンズのみであった。


帝国に恨みがある。

それしかアンナには知り得なかった。


だがそれはアンナも同じだった。

アンナの場合三国が競合し国を亡ぼした為恨みは重いのだが…


そんな風に思考しているとガンズが馬に乗り現れる。


横にはクラリス、ワルトフを携えており、無事薬草を手に入れたのかクラリスはホクホク顔である。


「いよぉ、クラリス~!」


「アンナ様、さっき戻ったのー!あ、アッシュちゃん、久しぶりぃ~!途中で盗賊さんに襲われたんだけど、ガンズさんとワルトフさんが助けてくれたから問題ないよー!食料もワルトフさんが鹿を狩ってくれたのよー、美味しかったなー!」


「盗賊?無事だったのね、良かった。合流が遅れているとロストマンから報告があり心配していたのですが杞憂だったようね。別動隊に従事した者達にはゆっくり休むよう伝えておきなさい。」


「分かったの!じゃあアンナ様あとでねー!」


トテトテと馬を走らせ去るクラリスを見送り、ワルトフに頷くと彼も馬を走らせ部隊の方へ戻っていった。


「ふむ…まぁ、言いたいことは全てクラリスが言ってくれたが細くすると件の盗賊は帝国の浸透部隊の可能性があるのう。妙に戦い馴れておるし、指揮系統も成立しておった。傭兵崩れにしては動きが良すぎたからのう。まぁ四割方はクラリスがメイスで叩き潰しておったが。全くザンバニアの医術兵は恐ろしいわい。…話が逸れたな、それらを鑑みてワルトフと相談し、尋問したらあっさり吐きおったわい。」


「分かりました。その者達はバルナート王国に?」


「うむ。エライザの駐屯地に置いてきた。此方で調べ上げた情報は全て提供し報償金もたんまり貰ってきたわい。経費として少し良い酒を飲んで来たがの。」


「はぁ…分かりました、後で収支報告をウミネコに出しておいてください。ーーお疲れ様、じいじ。」


「ほっほっ、可愛い大姪の為じゃて。気にせんでいいわい。また後での。」


ため息を吐き呆れつつも労いの言葉を掛けると、ガンズは破顔し馬を走らせた。


ロストマン辺りと情報の擦り合わせを行うのだろう。


残ったのはアッシュのみである。


アンナは何か報告が有るのだと察すると改造馬車である〈本陣〉に移動した。


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