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亡国の姫の傭兵譚  作者: 如月 燐夜
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姫と部隊長会議

スターリア傭兵団の幹部は九人。


近衛指揮隊のガンズ

騎馬隊のロストマン

遊撃兵隊のテルノ

軽歩兵隊のマナ

弩兵隊のヴォルフ

弓騎兵隊のワルトフ

斥候兵隊のアッシュ

救護兵隊のクラリス

輜重兵隊のウミネコ


移動に先駆け大型の四頭立て改造馬車、通称〈本陣〉に幹部の過半数が集まっていた。


この場に居ないのは斥候任務中のアッシュ、周辺警戒任務のロストマン、ワルトフ、資材管理を先の町でしているウミネコの四名。


「アンナ様、本陣には誰も来ませんよぉー?鎧を脱いだら如何ですぅー?可愛くおめかししましょうよぉ~!」


馬車が走り始めると救護兵隊長のクラリスがそう言って鎧を脱がそうとして来る。


が、過半数は男であり、男の前で着替えるなど王侯貴族出身のアンナには土台無理な話だ。


いつもの事ながら兜だけを外すとやんわりと断り、会議に移る。



仕切り役は軽歩兵隊長のマナだ。


「さて、まずはテルノ。此度の働きご苦労様でした。次の戦場でも期待しているとスターリア様は仰っています。」


「おうー!給料分の働きはしっかりするぜぇー!」


「一言多い!次に、クラリス。何か相談があるとの事だが、要件を聞こうか。」


「はぁーい!あのねぇー、傷薬用の約束が不足してて東に行く途中で南に向かうと山の麓に沢山生えてる場所があるから其処に寄りたいのぉー!でも、盗賊が出るから誰か護衛に着いてきて欲しいなぁーって思ってぇ。」


「ふむ、では儂とワルトフの部隊で行こうかの。そうじゃな…このエライザの街で合流しよう。」


ガンズが護衛を買って出ると地図を睨み中継地点を指差す。


と、その時馬車の扉が開き厳のような大男が現れる。ワルトフだ。


ガンズの率いる近衛隊は教育と修練が行き届いておりガンズが離れても自分で考え行動出来るように教育が為されていた。


そのためガンズは大手を降って部隊から離れることが出来る。


ワルトフは無口な男だが、実直で仕事に対して真摯に向き合う性格だ。


盗賊への戦力としては妥当だろうとアンナは頷いた。


「ガンズさん、ありがとうなのぉー!ワルトフさんもよろしくお願いするのぉー!」



「任せておけ!直ぐに出立しよう、二日分の食事があれば十分じゃろうて。テルノ、姫…スターリア団長の警護の任頼むぞ?」


「……」


ワルトフは無言で頷くと馬車から騎馬へと飛び移った。

曲芸めいた動きだがいつもの事なので誰も気にしない。


「あいよー!つっても俺より強ぇ団長に警護なんているのかって話だが仕事は仕事だ、きっちりやらせて貰うぜってなぁ。」



ガンズは何かとテルノに仕事を任せたがる癖がある。


何でも、テルノの能力を買っているらしく信頼は厚い。


一癖も二癖もあるこのスターリア傭兵団では腕っぷしと隊を纏めあげるカリスマ性が物を言う。


テルノは適性がありガンズのお眼鏡に叶っているらしく副団長に…という話を前々からスターリアに話していた。


スターリアもガンズの意見に賛同しているし、元々テルノが盗賊団を率いていた際に傭兵団に誘ったのはガンズなのだ。


その辺の人を見極める観察眼を鍛えなければとスターリアは常々思っていた。


一度速度を落とすと横付けされた馬に乗り換えたガンズとその後ろにクラリスが乗って移動を始めた。


ワルトフ隊とクラリス隊も合流する様でそのまま行ってしまったようだ。


「さて、では次の作戦について話し合いましょう。対西帝国戦となりますので先鋒をワルトフとヴォルフ、別動隊にテルノと私の軽歩兵隊で勤めーー」


何事も無かったかのように会議を続けるマナ。

何時もの事なのだが、如何せん真面目すぎるきらいがあり、兵士達からの受けもあまり良くない様だ。


元々はスターリア付きのメイドであったが、騎士爵家出身の彼女は花嫁修行よりも騎士団の鍛練を眺めているのが好きだったという変わり者。


旅を続けて行くうちにその才能は開花し、近衛隊から実力で軽歩兵隊長へと登り詰めた腕っこきだ。


会議は夜営の準備が始まるまで続いたのだった。


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