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ジオとニナは生温かい目でどことなく寂しそうな娘を見ていた。
彼らはもうボス一家に振り回されることに関して諦めの境地だったりする。
よって、娘が本気で泣きついてこない限り子どもたちのことにも口出しする気はない。
たとえ娘がタチの悪い双子の片割れにプロポーズとは言えない求婚をされようともふたりはもう半分諦めている。
幼いころからずっと子どもたちを見てきたふたりとしてはいつかこういう日が来ると思っていた。
ただ、セイラがアルバからステラをひき離す程に激怒するような求婚の仕方をするとは思わなかったけれど。
それについても怒りよりも呆れが先にくるくらいには子どもたちのことを理解しているつもりだ。
しかし、事の重大さに気付いていない様子の愛娘を放置する訳にもいかない。
ニナはしかたなく口を開いた。
「それで、どうするの?」
「ふぇ?
えっと、アルバ様には近づくなって言われたからセイラ様のお世話すればいいんだよね??」
「……いや、そうじゃなくてな」
「結婚しようって言われたんでしょう?」
「ふぁあああ!!そ、そうだった!!
で、でも、あれは、なんていうか、ちがう!ちがうの!!……たぶん。
なんていうか、そう!事故!事故だったの!!あの場にいたのが私しかいなかったから!!」
慌てふためきながらとんでもなく見当違いな方向に勘違いしているらしいステラを呆然と見つめる。
「……。どうすんだ?」
「……。どうするの?」
ひとりで自己完結してしまった娘にジオとニナは引きつった顔を見合わせる。
そこにちょうどひょっこりとリヒトが顔を出した。
ふたりはコクリと頷きあって全ての問題をリヒトにおしつけ……まかせることにした。
「リヒト、」
「リヒト様、」
「「あとよろしく」」
「へ?ちょ、ジオ!?ニナ!?」
素っ頓狂なリヒトの声を聞こえなかったふりをしてやり過ごし、ジオとニナは可愛い弟分に娘の将来を託した。




