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☆拓也視点

今日は短いですが、これだけです。

あの裕介が、とある女子と仲良くしている。

そんな話が俺の耳へと入ってきた。


如月家が再婚したのは有名で、誰もが知ってる

裕介とは似たような立場な事もあり、結構親しくしているつもりだ


あいつが、連れ子と仲良くするようなタイプの人間ではないことは知ってる

まして、その連れ子は女の子ときてる。

初めは、裕介が仮面を被っているだけだと思った


だけど、どうやらそれも違うみたいだ。


相手の名前は如月悠と如月遥。

そして特に仲が良いのが、妹の方だという。


あの裕介が、ね


本当に裕介と仲良く出来る女の子だとしたら、

俺の弟の事だって…

いや、考えるのは直接会ってからにしよう


俺は彼女と話をしてみる事に決めた



――

悠ちゃんに、竹夫の事を相談した翌日、

家でくつろいでいるところへ、弟の竹夫が大慌てでやってきた。


「兄さん、目を覚ましてくれ!」

何が何だか分からなかった。

落ち着かせて話を聞くと、何でも俺が悠ちゃんへ恋をしているとか


いや、どう考えてもそれはあり得ないだろ。

竹夫に何度も伝えて、何とか誤解を解く。


気づけば、竹夫と普通に会話出来ていた。

「これからは、兄さんへの想いを素直に伝える事にしたんだ」


若干引いたが、以前のようなギクシャクした関係よりはマシなので、ほどほどにと、伝えておいた。

どうやら、俺の想像していたものとは違ったらしい。

俺の観察力もまだまだみたいだ。


それにしても、悠ちゃんは面白い事をしてくれたようだ。

これは、すぐにでもお返ししてさしあげるべきだろう。


まあ、本当の意味でも、お礼をするべきだろうな。

確実に喜ぶのは食べ物だろうけど、どうせだったら残る物を送りたい。


何店舗めかの雑貨屋で、たまたま見つけた子豚のガラス細工、俺はこれに決めた。

悠ちゃんに似てるな、と思ったのは内緒だ。



――待ち合わせ

俺が待ち合わせ場所に行くと、すでに女の子達が待っていた。

…もっと早く家を出るべきだったな


それもこれも、弟の余計な詮索に時間を取られたせいだ。

これぐらいのことで、騒ぎ過ぎだよな。

兄としては、あの年でデートも未経験なのは、逆に心配になる。


遥ちゃん、噂の美女は想像以上だった。

弟が天使と表現するのも、分からなくもない。

こんな子と休日過ごせるなら、無理やりでも参加して本当によかった。


あんまり男慣れしてないのも、初々しくて可愛いなと思った

反応で遊んでいたら、横の悠ちゃんに怒られた。ほどほどにしておくことにする。


まだ、俺に遠慮しているようだけど、

これをきっかけに、是非とも仲良くなっていきたい。


帰り道に、悠ちゃんと二人きりになり、俺はプレゼントを渡す。

反応を見る限りでは、気に入ってくれたようだ。

少し緊張していたので、本当によかった。


こんな感覚、久しぶりだな。


そ…それにしても、いま、一瞬だけ、悠ちゃんが、可愛く見えたんだけど?

そんな、まさかね……


瞬きして、もう一度よーく見る。目の前には、いつものメガぽっちゃりな女性がいた。

よかった、俺の気のせいだったみたいだ。


悪い子ではないんだけど、俺はノーマルでありたい。

俺の好みは、遥ちゃんみたいな美人だ。


男として、これは譲れないところだ。


しかし、悠ちゃんのお菓子に関する情熱はすごいな

食いっぷりも凄かったけど



俺は店内での様子を思い出し、一人笑みを浮かべるのであった。

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