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後日談

あれから2年が過ぎた。


あの後、私の祖国であるバーリエル国ではクーデターが起きて、一般市民は逃げ出し、それでも貴族同士の激しい争いは治らず、わずか2ヶ月で崩壊した。


私は今、オルトナー未亡人の姪としてこの世界で1番大きいバクストン国で生きている。

この国ては貴族制はもう古い制度として扱われており、招待状さえあれば誰でも社交界に顔を出せるので、今日も夜会の準備で忙しい。


「コニー。このネックレスどうかしら?」

オルトナー未亡人がジュエリーボックスから大きなルビーのついたネックレスを出してきて私の胸元に当てた。

「あら、なんだか派手よ?オバサマ」

「つい100年前まではこれが人気だったのに。しばらく使わなかったらもう派手なのね」


オバサマは、長らく社交界に顔を出してなかったみたいで、近頃のどんなダンスを踊ってもいいという社交界が楽しくて仕方ないらしい。

「コニー、本当に1人で行くのかい?」

オルトナー未亡人は心配そうに聞いた。


「ええ。もちろんよ」

私はメイクをしながらわらう。

「こんな夜遅くに1人で馬車に乗るのは……」

「大丈夫よ。オバサマ。すぐに帰ってくるわ。だって今日は、グラッドさんの大事な日ですもの」

私の言葉に壁にかけてあるグラッドさんの写真に目をやる。


この2年は長かった。


「やっと、私達の魔法学校ができたのよ。そのお祝いのパーティーだもの。行かなきゃ!それに私を狙う人なんていないわ」

「確かにこの世界で2番目に強いからね」

「1番はオバサマね?」

「違うよ。1番はコニーの夫。グラッドだよ。私は人じゃないからね」

そう言ってオバサマは笑うとパチンと指を鳴らした。


「もう行かなきゃ」

そう言ったオバサマは、おばあちゃんから30歳くらいの妖艶な美女に変わって、ちょうど迎えに来た恋人の馬車に乗ってひと足先にパーティー会場に向かっていった。


今の恋人はキラウエア大佐だったわよね?

大佐はおばさまの正体を知らないから、知ったら腰抜かすわよ。

そう笑いながら馬車を見送った。


パーティー会場に着くと、すでにたくさんの人がグラッドさんを取り囲んでいた。

私達は今、世界的に有名な魔法使いの夫婦だ。


あの婚約破棄の会場から逃げ出した時、こんな未来が待っているとは想像しなかった。


これから先、どんな事が待っているかなんてわからないけど、私達はきっとずっと幸せに生きていく。

オルトナー未亡人と一緒にね。



「コニー今日は1番と綺麗だよ」

そう言って、私を見つけたグラッドが、抱きしめてくれた。

そして、手を取るとダンス会場へと向かった。







このお話はこれで終わりとなります。

体調が整わずに、投稿が遅れてすいませんでした。

長いお話にお付き合いいただきありがとうございました。

また次のお話でお会いできたらと思います

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