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エピローグとプロローグ

朝、目を覚ます。

一度大きく伸びをして、雨戸を一気に開ける。

潮の匂いが部屋の中に広がる。

そう、海だ。私は海に来ているのだ。

正確には港、そうあの日からおよそ二ヶ月後の今、私たちはこの港町に来ていたのだ。

あの日から数日った日に話は遡る。




その日王様が来た。

「なんの用ですか?毎度毎度人が一線を越えようかと思うたんびに、邪魔ばっかり」

まだその頃は自分の体をうまく動かせず、アリスが何かよからぬ気配を漏らしまくっていたそんな時期だった。

不機嫌な気配は日を追うごとに増しており、あわや爆発寸前というところまできていた。

私はなかなか綱渡りをしていたと気づいたのはここに来てからだが。

そのときもなぜだか時々寒気がしていた。多分、本能が理解していたのだろう。

そんな、導火線に火が付いたような日々の中で新しく王になったあの人が来た。

そんな時に来るとは王様も運も悪いが、私にとっては渡りに船だった。

なにせあちらの大陸に留学ということなのだ。

何よりも私ということが知れ渡っていないだろう。

それだけでも、あちらに行く意味はある。

私は、この大陸では有名人らしいのだ。

私に全くもってそんな気はないが、どうやら魔王とその復活に関わるとかなんとか。

今まで襲撃してきた方々は、何をどう勘違いしたのか。

私を殺せば魔王は復活しない、なんて真逆のことをしている。

懇切丁寧に魔王が出現した経緯を再現付きで話したところ。

みんなスゴスゴと帰っていった。

なんだか納得してないような顔をしているが、とにかく自分たちの行動で世界の破滅につながるということだけは納得してもらったからよしとしよう。

とそんな日々が繰り返されること、およそ十数回。

もういい加減うんざりしていたところに来てくれたというわけだ。

アリスには悪いがこちらは、行く気満々である。

そのため、返事も念話で即座に返させてもらった。

あちらの方は喜んでいたが、こちら側(特にアリス)が難色を示した。

なんとか口八丁手八丁で、納得させてリハビリを終えたあと行くことを告げた。

あちらとしてもそれは予想の範囲内であり、出発は二ヶ月後だと言ってきた。

一ヶ月のあいだにリハビリを済ませ、半月ほどで準備を済ませ。

そして、半月をかけ、昨日ここについた。

そう今日が出立の日なのだ。

出立する人と見送りに来ている人がいるが、私たちには見送りに来ている人たちはいない。

その代わり手紙をもらった。

あとで読もうと思う。

着替えを済ませ、荷物を無限倉庫に入れて、宿をチェックアウトして船まで歩く。

船についたのは早いほうだと思っていたのだが、船にはみんないた。

私が一番最後だったようだ。

乗船して、荷物を船室に置いたあと船首へ向かう。

目の前に広がる、大海原を見ながら。

「私の物語は、始まったばかり、さあ楽しんでいきましょう」

まだ見ぬ大陸への好奇心を胸にそう呟いた。

お読みいただきありがとうございます。

次のお話は、2月22日十時に投稿したいと思います。


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