表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/44

自由交易都市に風は吹く~凪が来りて、風は荒れる~

「それで、やっぱり面倒事になるのか?」

「完璧にな。依頼主からこんなものまで寄越してきやがった」

「おいおい、それは…」

「こんなんでどうにかなるとは思えながな、聞いてる限り。だがあちらさんはそうじゃないみたいだぜ」

「受けるのを早まったか」

「いや、時間はまだある。報告だけでもしていくべきじゃないか」

「そうだな」

その日は、夏の終わりにきた季節外れの台風でした。

今なら言えるけどね。




「リップル・ファートはいるか?」

宿で朝食を食べている時に入ってきたのは、いかつい鎧を着た男だった。

「はい私ですが、要件は朝食が終わってお願いします」

「それは無理な話だ。君を犯罪者として連行させてもらう。朝食は諦めてくれ」

「罪状は?」

「聞かされていない。この都市ではよくあることだがな」

周りを見ても、みんな目をそらす。合わせようとする人はひとりもいなかった。

「そうですか、では行きましょう。どんな罪であれ、一方的に罪を決めることなどないことを願いますが」

「………」




「よって、汝リップル・ファートを死刑に処する。処刑方法に関しては、元老院に一任する」

…爆笑ものだ。公平どころか賄賂で弁護なしの秒決裁判。

魔封じをつけられているものの、声が出ないところを見ると全く機能していない。

これでは、何のために服まで着替えさせられたのかわからない。

武器も回収したことになっているけど、回収されたのは私が作った偽物であり本物は、私の空間に格納している。

チームのみんなにも同じように言っておいたから、何らかの対策はしているでしょう。

で今いるのは牢屋、ついでに黒い影の人がいる。

「なんで、あんなくだらないことをしないといけないんだろうね。私にはわからないや」

言葉の端々からにじむのは、明確な怒りだ。

これは私がなんとかしないといけないのだろうか。

床に文字を書く、

『大丈夫』

漢字だからただの絵にしか見えないだろうし、間違いなく読める人間は、異世界人である。

そんな砂粒の中に砂粒ぐらいのダイヤを落として見つかる確率位のことが起きるはずもないしね。

「なんでそんなことがいえるの?」 

『普通に魔法使えるし、何より千年前の魔王の召喚条件は整ってるし、ここと魔王の関係も聞いてたし』

「…何をするつもり?」

『何も』

「…そういうこと。まだことは起こさないと」

頷く、

『ひとつだけ教えて欲しい』

「何を?」

「私は誰で、私は何者なのかを」

「……予想は?」

「ついてない、だから聞いている」

「それなら答えられないわ。きちんと私を納得させる答えを出してみなさいな。そうしたら答えてあげる」

そう言って、人影は消えた。




sidechangetoチーム【ツキアケ】

そこはリップルが捕らえられているのとは違う牢屋である。

「はじめましてだな、助けは「いらない」…そうか、ここから抜け出す準備があると?」

「抜け出すつもりもないわ。何よりあちらさんが勝手に感動の再会を演出してくれるのだから乗らない手はないわ」

鉄格子の向こうで不敵に笑うマイカ、その不敵さは彼らを一歩下がらせるには十分だった。

「とにかくそんな首輪を持ってきてまで、私たちを取り込もうとした馬鹿に伝えなさい。自分の首が跳ね飛ばされたくなきゃこの件から身を引きなさい、とね」

静かにしかしその言葉は、強烈な意志を待っていた。

「これで我らの宿願が果たせる」

「さよう、贄もあれほどいれば満足してくださるだろう」

「全ては」

「「「この地の未来永劫の繁栄のために」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ