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愛したものしか蘇らせられない私は、死者と共に生きる

作者: ドラドラ
掲載日:2025/08/20

 私のスキルは【ネクロマンシー】

 だが、どれだけ死者を呼び戻そうとしても、失敗に終わった。


 手を伸ばしても、声をかけても、何も応えない。

 死者たちはただそこに横たわるだけで、私の呼びかけには応えなかった。


 力が足りないのか、運命のせいなのか、それとも、この世界に私の居場所はないのか。

 絶望の底で、私は何度も自分を責めた。


 そのとき、小さな命だけが私に応えてくれた。

 私の愛犬──生前、私と共に笑い、眠り、走り回り、旅だったあの子だけが、私の呼びかけに応え、再び尻尾を振った。

 大きく力強くなった姿に変わり、私の目をじっと見つめるその姿を見た瞬間、私は理解した。


「そう……私を愛し、私に愛された者だけが、私の力に応えてくれるのね」


 そう呟きながら、私は愛する人と共に部屋の隅で肩を落とす。

 忌まわしき存在と烙印を押され家に居場所がなくなった私に、使用人だったあの人はついてきてくれた。


 愛する人と共に過ごす日々は、決して楽ではなかった。

 それでも、彼といる時間は幸せだった。


 けれど、その幸せは長く続かなかった。

 愛する人は突然、無情にも私の前から奪われた。

 叫び、手を伸ばした私の目の前で、彼の命は散った。


 私は震えながらも、迷わずスキルを発動させた。

 全身の力を込め、心のすべてを注ぎ込む。

 彼の名を何度も呼び、愛を伝えながら、呼び戻した。


 ──愛する人は生前よりも強く、美しく、私の前に蘇った。


 その瞬間、私は知った。

 愛し愛された者の死者は、誰よりも強くなるのだと。

 愛の力は絶対で、他者を圧倒する。

 愛は力となり、死者さえもその意思に従わせる。


 私は歓喜と共に、深い孤独を抱きしめた。


 だが、愛し愛される存在は限られている。

 孤独に苛まれた私は、次第に愛を求め夜の街を彷徨い、愛し合い、殺し、蘇らせることを繰り返した。

 生前は無関心だった者も、私の愛で蘇れば私の思いのままに動く。


 だが、どんなに愛を注いでも、彼らの力は生前の恋人や愛犬ほどではない。

 力はあるが、どこか虚ろで、満たされない。


 それでも私は止まらなかった。

 力を増すため、一方的に愛を注ぎ、死者を増やし続けた。

 生者のいない世界で、私は死者たちと語り合い、笑い、時には怒り、愛に溺れた。


 狂気は少しずつ私を染めていった。

 だが、その狂気の中に、私は幸福を見出していた。

 死者たちは私の愛を映す鏡であり、私の孤独を満たす存在だった。


 やがて、運命は再び私に試練を与えた。


 ──再び出会ったのだ。

 真に私を愛し私に愛される人に。


 心が震える。

 恐怖も、孤独も、寂しさも、すべてが溶けていく。

 愛する人を失うことなど、もう二度と耐えられない。


 しかし私は真実の愛を求めスキルを発動させ、愛に応えて蘇る彼を目にした。

 その姿を前に、私は初めて完全な満足を得た。

 真に愛し愛された者と共にいる幸福。


 これこそが、私の求めていたものだった。


 世界は静かに、私たちを包んだ。

 生者はいない。

 死者だけが、私の愛を受け止める。


 狂気は消えない。

 むしろ、愛と狂気は私の中で溶け合い、幸福へと変わった。


 誰も理解できないだろう。

 だが構わない。

 私はこの世界で、愛に溺れ、死者たちと共に生き続ける。

 それこそが、私の救いであり、私の選んだ道なのだから。


 愛に狂い、愛に満ちたネクロマンサーの物語。

 生者はいない世界で、死者と共に生きることこそ、私にとって真実の幸福である──

 昨日投稿したプロットの女主人公版です。

 女主人公にするにあたり狂気を増してみました。

 男主人公の時より書きやすく感じましたがやっぱり長編には物足りない感じになりそうだしバッドエンドにしかならないよなぁと思いつつとりあえず投稿しました。

 男主人公と女主人公のどちらが好みでしょうか。

 皆さんの反応を見て色々と考えてみます。


※作者からのお願い


投稿のモチベーションとなりますので、この短編を読んで「面白い」と少しでも感じましたら、↓の☆☆☆☆☆から評価頂き作品への応援をよろしくお願い致します!


お手数だと思いますが、ブックマークや感想もいただけると本当に嬉しいです。


ご協力頂けたら本当にありがたい限りです。

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― 新着の感想 ―
狂気的な愛を感じました。 独特な世界観で良いなと思いました。
徹底的に、一方通行の愛ですね。 私にとって、真実の愛。 あえて周りからどう見えているのかを一切書かないのが後を引く感じでいいですね。
愛したものしかよみがえらせられないネクロマンサーという設定に惹かれました。 一度死んだものはよみがえらせても完璧に元通りにはならない。 それでも孤独を埋めるために求めてしまうというのがもの悲しく、人の…
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