妖精さんを雇いに行く
村の発展もかなり進み、人手が欲しくなり始めた頃。
以前ファリムから聞いた妖精の話を思い出し、せっかくなので行ってみる事に。
妖精が住む森は村から少し外れた場所にあるとのこと。
妖精を雇えば村の人達の仕事も楽になるかもしれない。
「この辺りのはずなんだけど…」
「妖精の森って話の限りではこの辺よね」
「ん?これは…行ってみましょうか」
森の中に不自然な場所を見つけた様子のオルライト。
その不自然に感じた場所の先へと足を進めていく。
「ここが…本当に妖精の森があったのね」
「おや、お客さんが来るとは珍しい」
「あなたは…もしかして妖精の長様かしら」
「いかにも、しかし人が来たのはいつぶりだろうか」
「えっと、それで妖精を雇いたいんだけど」
オルライトの目的は妖精を雇うこと。
それに伴いある程度の資金も用意してきている。
いくらかかるかは分からないので、少し多めに用意してきたわけだが。
「雇うのにはどの程度お金が必要なのかしら」
「そうだな、腕前が優秀な妖精ほど高いお金をいただく事になる、それだけだ」
「なら雇える妖精で一番優秀な妖精を40人ほど雇わせてもらえるかしら」
「意外とたくさん雇うつもりなのだな」
「お金ならあるけど、これで足りるかしら」
とりあえず手持ちの資金を長に見せる事に。
長はその金額を見て充分な金額だと判断。
そんなわけで雇える妖精の得意な仕事についても説明してくれた。
「とりあえず各色の妖精の一番優秀な妖精を10人ずつお願いしていい」
「分かりました、あと妖精は賃金を払えなければ自然と解雇になりますからね」
「その賃金は月額払いでいいのかしら」
「それで構いませんよ、あと色によって必要な賃金も変わりますからね」
「分かったわ、それじゃそれで契約成立という事にするわね」
そうしてそのまま妖精との契約は無事に成立する。
妖精との雇用契約は月額払いによる賃金制だ。
もし賃金を払えない場合は自然と解雇になり、森に帰っていくという。
「それにしても妖精って意外としっかりしてるのね」
「がめついとか守銭奴などとも言われますが、こっちも仕事ですからね」
「確か妖精の仕事って仕事のサポートなのよね」
「そうですよ、お手伝いをするのが妖精の役目ですから」
「なるほど、妖精はまさに助手という感じなのね」
妖精は主に雇い主の仕事をサポートする事にある。
言われた仕事のサポートを黙々とやってくれる感じなのだとか。
なので妖精は指示がなければ働いてくれないという。
「とりあえず各色の一番優秀な妖精は借りていくわね」
「はい、村に戻る頃には妖精も村に着いていると思いますよ」
「意外と早く村に来てくれるのね」
「それも契約のうちですから」
「それじゃ私は村に戻るわね、賃金はきちんと払うから」
そうしてオルライトは村に戻っていく。
村に戻ると本当に先に妖精がすでに村に到着していた。
そこで妖精に指示を出し、各仕事場に配属させる事にした。
「本当に妖精達は黙々と働くのね」
「あら、村に妖精が増えてると思ったら、雇ってきたのね」
「ええ、ファリムに言われた通りの場所に行ったら本当にあったわよ」
「妖精達はあれで勤勉だから、言われた通りに仕事をしてくれるわよ」
「指示は雇い主である私が出さなきゃ駄目なのよね」
妖精はオルライトが指示を変更しない限りはその仕事を続けてくれる。
その辺は各仕事場の人達から要請をもらって指示を変える事にした。
オルライトもそんな妖精達への賃金はしっかりと用意する事にした。
「それにしても妖精なのにお金を要求されるのは意外というか」
「妖精にとってのお金はきちんとした対価なのよ、お金を払うってそういうものでしょ」
「きちんとした対価ね、まあ何に使うかは知らないけど、そういう事なのね」
「だからきちんとお金は払ってあげてね」
「ええ、忘れないようにしておくわ」
妖精にお金を払うのは仕事への対価。
それは正当な報酬という事でもある。
なのでそこは人を雇うのと大きな違いもないのだろう。
「とりあえず村の発展ももっと進めないとね」
「開拓は進んでるから、住民がもっと増えても問題ないわよ」
「ええ、お店や他の施設も順次建てていかないとね」
そんな妖精達は対価を払う事で働いてくれる。
そのお金を何に使うのかは分からないが、対価とはそういうものらしい。
お金を払う事は仕事に責任を持たせる事。
妖精達は各仕事場でサポートに奮闘する。




