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専属の顧客

先日ロスカスタニエに醤油や味噌についての手紙を出してから数日。

それについての返事が届いたようで、それについても考える事にした。

返事の中身を確認した上でまた新たな事も考えていく。

その返事の中身はというと。


「ふむ、ならそれで返事を折り返さなくちゃね」


「村で作る事については了承いただけたのですか?」


「いえ、村では作れないけど品を卸す事は出来るみたいな感じね」


その返事は村では作れないが、作ったものを卸す事は出来るという事。


つまり専属の顧客として作ったものを売る事は出来るという事である。


「とりあえず卸してもらう形で話をまとめないとね」


「それにしても醤油や味噌というのはそれだけ作るのが難しいのでしょうか」


「だと思うわよ、村で作るにしてもすぐに作り始めるのは無理って書いてあったし」


「つまり作り始めても時間がかかるという事ですか」


「ええ、そういう事ね」


とりあえずは作ったものを卸してもらう形で契約をまとめる事に。

契約は向こう側で行われるという事で、後日契約をまとめに行く事となる。


まずは返事を返して、それが終わり次第村の視察に行く事にした。


「少し暑くなってきたわね、まだ春だけど、これから夏だわ」


「おや、オルライトさん」


「あ、バルカ、村の方はどうかしら」


「みなさんしっかり働いてくれてますよ、頼まれてた施設などもほぼ完成しましたし」


「そう、なら一旦は落ち着いたかしらね」


今までに頼んでいたものは一通り出来たと報告を受ける。

今後は店舗の数を増やしたりしていく事がメインになるか。


その一方で村の開拓も少しずつ進めていく必要がある。


「ねえ、村の方で何か足りないものとかある?」


「足りないものですか?そうですね、新しい農具とかが欲しい感じです」


「新しい農具?今使っているものは古くなってしまったのかしら」


「ええ、なので今はそれぐらいですかね」


「分かったわ、ならそれを用意してもらうから」


今足りないものは農具だという。

その辺はドワーフに頼めば作ってくれるであろう。


ただ今は特に大きく不足しているものはないとのこと。


「あら、いい服が出来たのね」


「これはオルライト様、ええ、村の方でも注文が増えてきて忙しくなってきましたよ」


「新しいブランドって聞いてたけど、この様子なら問題はなさそうね」


「オルライト様が宣伝もしてくれているおかげですよ」


「村の宣伝にはきちんとお金をかけないとね、そうしないと発展も出来ないもの」


ヴィクトリエルも最近は注文が増えてきているとのこと。

それにより服なども知名度が上がってきているという。


新進気鋭のブランドという心配も今はなさそうだ。


「それで服に使ってる繊維なんかは問題ない?」


「ええ、寧ろ想像以上にいい繊維で驚いていますよ」


「あら、想像以上に評価してるのね」


「恐らく都市部には出てこないようなものでもあったのかもしれません」


「ふーん、だとしたらそれが想像以上にいいものだったのかしら」


ディミトリアスが言うには提供されている繊維は使った事がないものだという。

だがそれについての話はオルライトも聞いた事がなかった。


つまり村にはまだ詳しく知らない何かがあるのだろうと思われる。


「実際その繊維は村から提供されたものなのよね?」


「はい、昔から村で作っていたものだとは聞いています」


「なるほど、そういうのは大量生産とか出来たりとかはしないのかしら」


「出来なくはないと思いますけど、ここはここだけの秘密にしておくべきかと」


「外部からの買付とかが来るとまた村の人達にも負担になってしまうからかしら」


ディミトリアスも村で活動するから使えているものだと認識している様子。

あまり外に知られない方がいいという事も思っているのだろう。


オルライトもそういう方向で考え、村の秘密にしておく事にした。


「でも繊維の話は意外だったわ、村にはまだ知らない何かがあったりするのかしら」


「可能性はありますね、繊維の他にも食材や道具なんかもあるのかもしれません」


「一応そういうのは調べてみた方がよさそうね、思わぬ盲点だったわ」


「当然のように使ってるわけですからね」


「いい情報をありがとうね」


ディミトリアスのそんな情報により村にはまだ村独自の何かがあると考えられる。

それについても聞き込んで見る必要がありそうだ。


村で当たり前に使われていたからこそ気にならなかったという可能性はある。


「それにしても意外な盲点だったわ」


「オルライト様、新たな移住希望者の届けが500人ほど届いていますよ」


「ええ、分かったわ、数日以内に村に入れるようにするから、そう返しておいて」


また新たに移住希望者の届けが来たという。

数日以内に村に移住可能になる程度には土地も広がったという事か。


その一方で村独自の特産品なども調べてみる事にした。


他にも何かあるのは確定であろうとオルライトは考えているようだ。

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