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二年目突入

春もいよいよ本格的になってきた季節。

そんな中いよいよ二年目が始まる日が来た。

一年目のうちに安定を重視して下地を整えてきた。

完全な安定は出来ていないものの、ほぼ安定は出来ているようだ。


「さてっと、いよいよ二年目ね」


「作物などの産業は比較的安定しているようです」


「あとは気候がよほど狂ったりしなければいいかしらね」


どんなに安定させても自然の力には勝てないという事は理解している。


だからこそ万が一自然災害が来た時のリカバリーもしっかり準備せねばならない。


「そういえば新しい農具とかも仕上がっているのよね?」


「はい、ドワーフの方達から各作業班に完成品が行き渡っているそうですよ」


「それなら安心ね、いい道具はそれだけ効率も上げてくれるもの」


「あと研究班とかにも少しいい研究機材などを揃えてあげるべきかと」


「研究機材ね、その手のものはどこから仕入れるべきなのかしら」


ベル達にも少しはいい研究機材などを用意してあげたいと思うオルライト。

しかしその手のものはどこから調達するべきかよく分からない様子。


ならば現場の声を聞けばいいという事になり、ベルにカチコミをかけに行く。


「ベル!少しいいかしら!」


「君は本当に突然来るね、また無茶な仕事でも持ってきたのかな」


「人をなんだと思ってるのよ、それより聞きたい事があるの」


「聞きたい事?一応聞くけど」


「ここに来る前の研究所とかで使ってた研究機材とかはどこから買っていたのかしら」


前の研究所での事を聞くオルライト。

そこで使っていた機材や道具をどこで買っていたのかを聞き出す。


その上で機材を製作している会社や店を調べ上げるつもりだ。


「ふーん、機材は主に西にある島国で作られているものを使っていたのね」


「ああ、その島国は研究で使う機械や機材の生産が豊富でね」


「なるほど、どれぐらいするかとか分かるかしら」


「値段かい?王立の研究所だから、予算は出てたから大体これぐらいだと思うよ」


「なるほど、それぐらいなのね、ありがとう」


値段についてはとりあえず聞き出せた模様。

とはいえそこでもっといいものを買うというのも何か違うと思う。


ドワーフは鍛冶や細工は得意だが、機械工作は不得手な種族でもある。


「うーん、どうしたものかしらねぇ」


「あら、悩みかしら、領主様」


「あ、ファリム、実はかくかくしかじかなのよ」


「なるほど、いい研究機材を用意してあげたいという事なのね」


「ええ、でもただいいものを買うだけじゃ何か違う気がするのよね」


そこでファリムが一つ提案を出してくる。

それはこの国の隣国に機械を作る事に長けている集団のいる領地があるという。


そこにオーダーメイドで頼んでもいいし、ついでに人を引き抜いてみたらどうかという事だ。


「つまりそこに頼めば買うよりもいいものが作れるかも、という事なのね」


「ええ、そこのベルクムント領に住む技術者集団のマテリアルハンドっていうチームよ」


「なるほど、なら交渉に行ってみようかしら」


「そこはここから西に結構行かなきゃいけないから馬車より飛空艇を使った方がいいわよ」


「飛空艇ね、一番近いエアポートって確かローゼンブルクのクラインシェーン領よね」


マテリアルハンドと呼ばれる技術者集団の本拠地は隣国のベルクムント領。

彼らにオーダーメイドを依頼するのがいいのではとファリムは言う。


ちなみにガラス細工なんかは女のドワーフが得意なので、彼女達にも依頼を出す事に。


「とりあえずいろいろ調べてみるわね、ありがとう」


「ええ、あともし人を引き抜きたいなら施設も建てなきゃよね」


「それもそうね、予算はたんまり用意しなきゃ」


「人が増えれば仕事にも多く回せるけど、なんでもやりすぎないようにね」


「分かってるわ、ありがとうね」


その足で大工の人達に話をまとめに行く。

つまりは機械関係の工房的な施設の建築依頼だ。


使える土地は結構増えているのでそれぐらいは建てられるだろう。


「というわけなの、頼んでもいいかしら」


「それは構わないが、中に入れる機材とかはそんな詳しくないぜ?」


「そっちはキスカに探させるから、上手く話を調整してくれればいいわ」


「まあそういう事なら構わないぜ、望み通りのもんを建ててやるよ、一ヶ月使うからな」


「ええ、構わないわ、私は近いうちにその人達を引き抜いてくるから」


そうして話はまとまった。

二年目一発目の仕事は隣国のベルクムントへ行きマテリアルハンドと交渉だ。


オーダーメイドの依頼と人の引き抜きが目的となる。


「というわけなの、任せていいかしら」


「かしこまりました、ではそちらは調整して必要なものを購入しておきます」


「ええ、私は数日後に泊りがけで行くから留守は任せるわよ」


そんなわけで二年目の最初の仕事が決まった。

行く前にまずは手紙を出して伺う事を伝えておく。


手紙が向こうについてから二日後ぐらいが出発の目安か。


飛空艇を使うためまずはクラインシェーンへ行き、そこから空の旅になる。

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