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後日談・1

オルライトが正式に領主になってから少し。

権限の全てが解放されたため、まずは大型のイベントホールの建設を始めた。

その辺の事をまとめた上で大工の人達に仕事を依頼した。

その一方で冬夕は変わらずに接してくれているようで。


「フユは本当に変わらないものね」


「一応目上の人への敬語とかは使えるんだけどな」


「まあ私がそう接しろって言ったからそれでいいのよね」


オルライトと冬夕の関係は相変わらずのままである。


一応正式に領主になった事は祝ってくれてはいるが。


「それにしてもフユって料理も出来たのね」


「まあこんなもんしか作れないけど、祝いにはこれでもいいのか?」


「ええ、これでいいのよ、こういうのが好きなんだから」


「アタシの焼いたホットケーキが食べたいなんて変わってるよな」


「だって美味しいんだもの、これが私は好きなのよ」


冬夕はこっちに転送されてきた時にたまに何か作っていた様子。

その際に気に入ったのが冬夕の焼くホットケーキだったという事らしい。


すっかりその味を気に入っているようで、お祝いという事もありおねだりしたようだ。


「やっぱりフユのホットケーキは美味しいわね、これがお気に入りなのよ」


「でもホットケーキでよかったのか」


「ええ、フユって料理も結構上手いのね、そこは驚きというか」


「一応最低限食えるものは作れるだけだよ、大したもんが作れるわけでもないしな」


「でもそれだけでも羨ましいわ、私は料理は使用人が作る事の方が多いから」


オルライトも料理が全く出来ないというわけではない。

とはいえ貴族ともなると、その辺は家で雇っている料理人や使用人が作る事の方が多い。


なのでこっそり夜に夜食を作ったりする程度しか出来ないという。


「でもキスカの作る料理も美味しいけど、フユの作るものも独自の味で好きなのよね」


「こっちの世界の調味料で味を再現するのは少し難しいけどな」


「でも似てる味には出来るのよね?」


「まあ同じには出来ないけどな、それでも出来る限りはやってるさ」


「ここの厨房も使える辺り、割とやり慣れてはいるみたいね」


異世界の厨房もなんとか使いこなしている様子の冬夕。

とはいえガスコンロみたいなものは流石にない。


しかしガス自体は確認されているようで、それをなんとか利用出来ないかと考えている様子。


「そういえば村の少し離れたところから異臭がするって報告があってね」


「異臭?何かが腐ってたとかそういう事か?」


「調べてみたら、ガスっていうものらしいんだけど」


「ガス田でも掘り当てたのか?ガスは使いこなせればいろいろ便利だぞ」


「ガスって確か、火を点けると燃えたり爆発したりするのよね?」


どうやら村から少し離れたところでガスが出てきた様子。

それについては科学などに詳しい人の助言も受けつつ、活用法を模索している様子。


ちなみに他国ではすでにガスの実用化に成功している国もあるらしい。


「ガスって料理の時に火をつけたりも出来るのよね?」


「ああ、アタシの世界だとコンロって言うと基本的にガスだしな」


「ふーん、料理の時に使う火をそのガスでやってるのね」


「ああ、電気コンロなんかもあるけど、それでも多くはガスコンロだよ」


「なるほどね、そういう風に使うのが一般的って事なのね」


オルライトもそんなガスの使い道についてはいろいろ模索している様子。

とりあえずコンロのようなものを作れないかと考えているようではある。


他国で実用化されているガスのシステムや道具を調べて入るようだ。


「ガスコンロ、他にも何かとあるのよね」


「ガスっていうのはたくさん吸い込むと有毒だから、兵器に使われたりもするんだよな」


「そういう使い道はあまりいいとはいえないけど、たくさん吸い込むのは危険なのね」


「まあ基本的にはガスは火を起こすのに使う事が多いものではあるな」


「ガスを使って火を点けるコンロっていうのは興味深いわね」


ガス自体は小さな缶などに詰め込んで持ち歩いたりも出来る。

カセットコンロ的なものが出来れば何かと便利にはなるだろう。


それが出来るかはまた別だが。


「ガスは火を起こすのには何かと便利そうね」


「ただ使い方を間違えると爆発するからな、そこを気をつけないといけないのはある」


「火気のある場所では使わないっていう事よね」


「ああ、あと小さな缶に詰め込んでカセットコンロ的なものに使うとかもあるな」


「それはつまり小型のガスコンロみたいなものって事でいいのよね?」


カセットコンロ的なものが出来たら何かと便利になるのは確かだ。

とはいえ使い方を間違えると危険なものでもある。


ガスは危険も大きいからこそ使い方には気をつけねばならない。


「とりあえずガスについてはまずは調べてからになりそうね」


「使いこなせれば便利にはなるからな」


「そうね、まずはなんとかして村まで引けるかどうかではあるわ」


そんなガスを掘り当てたというオルライト。

村でもガスが使えるようになれば何かと便利にはなる。


冬夕の作ったホットケーキを食べつつガスについても聞いたり調べたりする。


正式に領主になったからこそ今まで以上に出来る事は増えたのだから。

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